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次の日、友人が忽然と姿を消した。会社に連絡を入れずに欠勤する様な人間では無い事をAも、そして周りの誰もが知っていた。
警察に、なんて話が少し持ち上がるもまだ事件性がある訳でもなく、何かの拍子に真面目な子が無断欠勤することだってあるという事でその日はAが早上がりをして彼女の自宅へ様子を見に行くことになった。
ピンポンとインターフォンを先程から数回鳴らすも、返事も聞こえずドアも悪気配はない。周りの住人の迷惑にならないように強めにノックをするが状況は同じであった。
首をかしげながら数歩離れてメーターに目をやると動いてはいるので中にはいるはずなのだ。もう一度ドアを叩こうと近付いた。
ガチャ
『あっ！やっと出た！もうどんだけ心配したと』
「俺もずっと心配してたよ」
『ぇ……』
小さな悲鳴は瞬く間に開いたドアに吸い込まれる。暴れる彼女に麻酔作用のある薬品を染み込ませたハンカチを押し当てて動きを止めてやると数秒後にはぐったりと腕にもたれかかっていた。
「だからもう誰にも邪魔させない。ずっと二人で…ね」
レトルトは語りかけるようにそう言って口角を歪ませて微笑んだ。
血生臭いAの友人の部屋の玄関でやっと手にした彼女をレトルトは堪能していた。
そんな時間は正直言ってないものの彼女の体温や寝息と共に吐き出される呼吸が懐かしくて堪らなく愛しかった。ぐったりともたれ掛かるAの体制をこちらに向けてやり、ぎゅっと抱きしめるとあのころと変わらない、彼女の香りが鼻の悪いレトルトにも分かるほどパンと弾けるように主張する。思わずその懐かしさと尊さに涙すら出てくる。
短い時間で彼女を堪能した後にレトルトは気の失ったAを抱き上げてその部屋を後にした。
Aの友人が入った遺体収納袋など目もくれなかった。
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color(プロフ) - 合っていまして… ！！徹頭徹尾好きで溢れてて同じ小説を書くもの、参考にもなりました…作者様のファンになりました笑 久しぶりのドキドキをありがとうございました、、！長文失礼しました。 (2022年6月12日 1時) (
レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
color(プロフ) - 先程見つけて全部読ませて頂いたのですが……！言葉選びや表現の仕方等がとても素敵で…感動しました、どの話も好きです…特に「後悔愛に立たず」が一番好きです…思わず背筋がゾクッ、としましたし、彼の彼女に対する愛情や最後の終わり方が物凄く私の趣味に (2022年6月12日 1時) (レス) @page49 id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - もふたにえんさん» ありがとうございます！！言葉選びにはけっこつ気を付けています笑なのでそこに触れて頂きとても嬉しく思います！！本当にのろまな更新ですが引き続きよろしくお願いします。 (2019年9月16日 3時) (レス) id: 19b4bd13c3 (このIDを非表示/違反報告)
もふたにえん(プロフ) - 新しい話更新されていて急いで読みました！蠍さんの作品は全て綺麗な言葉で書かれておりどれも飽きません。完全に蠍さんのファンです笑これからもゆっくり更新待ってます！ (2019年9月16日 3時) (レス) id: a8f8fce798 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - 佳奈さん» ありがとうございます！とっっっても励みになります！！ (2019年9月16日 1時) (レス) id: 19b4bd13c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠍
| 作成日時：2019年6月27日 12時
