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目まぐるしく人々が動く朝の社内でキヨは大きく欠伸をして伸びをする。多少男性社員から｢呑気な奴だな｣なんて声が聞こえてきそうな顔を向けられるも、女性社員の目はにこやかである。自分にとってなんて過ごしやすい職場かとこんな時間からご満悦と言った顔を思わず浮かべてしまった。と、そこに椅子に手をかける影が隣に見えたのでいつも通り挨拶しようと顔を上げる。
｢おは……え、うっしー…どしたん、そんな青ざめて｣
余りにも顔色の悪い牛沢に柄にもなくおふざけ無しの心配の声が出てしまうキヨ。無理もない、彼は顔色も然る事乍ら表情まで蒼白と言った感じであり涼しい季節にも関わらず汗は滝のようである。
｢あー…うっしー、遅刻はしてないから大丈夫だよ？｣
｢………………あぁ｣
いや完全にセーフの時間なんだから｢あぁ｣じゃないでしょ。突っ込めよ。とキヨが心の中で逆に突っ込むも今の彼はそんな言葉を聞いてられるほど余裕が無さそうだ。
椅子に手をかけながら、そして鞄も持ちながら先程から突っ立っているのでとりあえず座ればとキヨが諭すと、油の切れかかったブリキ人形かのようにぎこちなく椅子へと腰をかけた。何やら心に多大なショックを受けているらしいと感じたキヨは、そう、決して悪意なく場を和ます気でこう言ったのだ
｢あ！Aちゃんと喧嘩したんでしょ〜｣
悪意一切無しのその言葉は正鵠に射掛けるかの如く鋭く牛沢を貫き、牛沢はごちんと額からデスクに突っ伏した。
｢…ごめん、そんなつもりじゃなかったんだけど｣
｢…きに…するな……｣
明らかに心からの台詞ではない言葉が牛沢の口から出ると更にキヨは申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。
相も変わらず牛沢は魂が抜けてしまったようにその顔に生気が宿っておらず、先刻から虚空か底無しの沼でも見てるかのように地を見るだけなので更にキヨは罪悪感と心配を募らせている。
｢原因は…検討ついてるの？｣
｢……飯食わなかったから…？｣
ガキかよ。とキヨが内心一括するも仕方なく彼の話に耳を傾けてやることにした。
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color(プロフ) - 合っていまして… ！！徹頭徹尾好きで溢れてて同じ小説を書くもの、参考にもなりました…作者様のファンになりました笑 久しぶりのドキドキをありがとうございました、、！長文失礼しました。 (2022年6月12日 1時) (
レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
color(プロフ) - 先程見つけて全部読ませて頂いたのですが……！言葉選びや表現の仕方等がとても素敵で…感動しました、どの話も好きです…特に「後悔愛に立たず」が一番好きです…思わず背筋がゾクッ、としましたし、彼の彼女に対する愛情や最後の終わり方が物凄く私の趣味に (2022年6月12日 1時) (レス) @page49 id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - もふたにえんさん» ありがとうございます！！言葉選びにはけっこつ気を付けています笑なのでそこに触れて頂きとても嬉しく思います！！本当にのろまな更新ですが引き続きよろしくお願いします。 (2019年9月16日 3時) (レス) id: 19b4bd13c3 (このIDを非表示/違反報告)
もふたにえん(プロフ) - 新しい話更新されていて急いで読みました！蠍さんの作品は全て綺麗な言葉で書かれておりどれも飽きません。完全に蠍さんのファンです笑これからもゆっくり更新待ってます！ (2019年9月16日 3時) (レス) id: a8f8fce798 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - 佳奈さん» ありがとうございます！とっっっても励みになります！！ (2019年9月16日 1時) (レス) id: 19b4bd13c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠍
| 作成日時：2019年6月27日 12時
