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｢牛沢さん、この資料まとめ終わったのでここに置いておきますね｣
｢あぁ、ありがとう｣
パソコンの画面から目を外して彼女と目を合わせるとほんの一瞬だけにこりと牛沢にだけ見えるように笑って、そのまま颯爽と自分の席へとAは戻って行った。
牛沢もAも自分達が付き合っているという事をあまり公にしたがらず、互いに親しい友人くらいにしかその事実を話していなかった。その選択は正解だったようで、今のような状況でも決して周りに冷やかされるようなことは無い。
｢何今のいい雰囲気〜｣
こいつ以外には。
いや、この男は確かに牛沢の良き友であるキヨと言う名の男ではあるが、隣のデスクで牛沢とAが話しているのを見かける度こうしてニヨニヨと笑って冷やかす辺りは話す人間を間違えたと思った。
｢良いなー、俺もそういう事したいなー、うっしー席替わろうよ｣
｢席変わってもお前の現状は変わらねえよ｣
そのツッコミにまたへらりと笑うキヨにさっさとパソコンと向き合えと諭し、牛沢もまたAが持ってきてくれた書類を手に取る。ほのかに彼女のハンドクリームか何かの香りがふわりと書類が扇いだ風に乗り牛沢の鼻をくすぐる。そんな事にさえ幸せを感じてしまい、自然に頬が緩んだ。
｢…ベタ惚れじゃん｣
横目に見ていたのかさっきとは打って変わって、呆れ気味の声色で隣から声が聞こえるも仕事に集中したい気持ちと、いや、かなりの見られたという羞恥心によって無視せざるおえなかった。が、
｢そんなんでさー、喧嘩した時とかどうすんの｣
キーボードを打っていた指先がひくりと飛び跳ねて止まる。考えたこともなかったのだ、喧嘩したらなど。
そんな状況考えたくもないが、喧嘩を一切せず付き合うカップルの方が珍しい。動揺が一瞬で不安に変わり、マイナスな想像が瞬く間に頭を埋める。
｢いや、いやいや…その時はすぐ俺から謝ってさあ｣
｢女の子は謝っても逆上することの方が多いよー？｣
何を知ってんだと、いつものおふざけだと思いながら半笑いで彼を見ると彼は全く表情を変えずこちらを見てもいなかった。つまり大真面目なのだ。珍しく。
｢こういうのは安心した頃に足駆られるよ｣
未だこちらを見ないままキヨはそう呟いた。
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color(プロフ) - 合っていまして… ！！徹頭徹尾好きで溢れてて同じ小説を書くもの、参考にもなりました…作者様のファンになりました笑 久しぶりのドキドキをありがとうございました、、！長文失礼しました。 (2022年6月12日 1時) (
レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
color(プロフ) - 先程見つけて全部読ませて頂いたのですが……！言葉選びや表現の仕方等がとても素敵で…感動しました、どの話も好きです…特に「後悔愛に立たず」が一番好きです…思わず背筋がゾクッ、としましたし、彼の彼女に対する愛情や最後の終わり方が物凄く私の趣味に (2022年6月12日 1時) (レス) @page49 id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - もふたにえんさん» ありがとうございます！！言葉選びにはけっこつ気を付けています笑なのでそこに触れて頂きとても嬉しく思います！！本当にのろまな更新ですが引き続きよろしくお願いします。 (2019年9月16日 3時) (レス) id: 19b4bd13c3 (このIDを非表示/違反報告)
もふたにえん(プロフ) - 新しい話更新されていて急いで読みました！蠍さんの作品は全て綺麗な言葉で書かれておりどれも飽きません。完全に蠍さんのファンです笑これからもゆっくり更新待ってます！ (2019年9月16日 3時) (レス) id: a8f8fce798 (このIDを非表示/違反報告)
蠍(プロフ) - 佳奈さん» ありがとうございます！とっっっても励みになります！！ (2019年9月16日 1時) (レス) id: 19b4bd13c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠍
| 作成日時：2019年6月27日 12時
