◇◆６◆◇ ページ11
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翔「俺さー、部活終わってから学校の図書館で勉強してたんだ」
「.....へぇ」
翔「帰る頃にはもう....８時とか？」
「.......」
翔「でも、テニスコートだけ外灯が光ってんの。もうとっくに活動時間すぎてんのに。俺、アレ？って思って、帰り際コートの側まで歩いたんだよ」
「........、」
翔「そしたらボール打つ音がしたから、誰かと思ったら.....お前でさ(笑)」
「なんで笑うんですかっ....//」
翔「ごめんって(笑)いや、ちげーんだよ。なんつーか....、すげーグッときた」
「.......」
翔「いつも俺の前じゃ『好きです』とか変なことしか言わないくせに」
「....すみません」
翔「(笑)....だから、ちげーの。俺が今まで知らなかったお前の姿に、....、胸が苦しくなったっつーか」
.........え？
「それっ、て....」
翔「もう....言いたいことわかるよね？」
「はっ......えっ、....」
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翔「え、これ言わなきゃいけないやつ？」
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クシャッと笑って私の方を見つめる先輩
どうしよう、さっきまで哀しさで溢れてたのに
もう恋で心が満タン.....
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翔「.....佐々木、手出して」
少し耳が赤く染まった先輩が照れ臭そうに私に手を出すように促す
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ガサゴソとポケットから出したのは、テニスボール
それを、私がいつも先輩にやるみたいに
先輩が私の手へ優しく乗せた
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翔「好きです」
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「......ふぇ.....」
翔「今日も、好きです」
「......あのっ、//！？」
翔「明日はもっと好き」
.
.
それって、それって.....
「....先輩...//？」
翔「A」
初めて呼ばれた、下の名前
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ふわっと引き寄せられた身体
吐息が熱い
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翔「お前が欲しい」
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翔「好きだよ、A」
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とろけるような甘いセリフ
先輩の頭が、私のうなじから肩にかけて埋まる
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「あのっ、///.....、ちょ、チョコ、渡してなっ....」
翔「.....おい、お前俺の話聞いてた？......お前が欲しいの」
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刹那
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「......私なんかで....いいんですか....//」
翔「お前がいいの」
「う、まって先輩っ、まって//...わっ//」
ゆるく口角をあげたのを確認して、やんわりと先輩の胸を押し返した私を
さっきよりもキツく、でも優しく、先輩が抱きしめる
.
「......ふふっ..//...嬉しい、」
翔「たまには練習相手になってやるよ」
.
イタズラな笑顔を浮かべて、そっと私の唇に、柔らかく口付けた
.
( END )
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作者名：結嘉 | 作成日時：2016年2月21日 16時
