はつゆきさくら～プロローグ～ (ページ7)

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12月6日(火)part1 ページ7

今日は、いつももよりも遅めに登校した。
授業の途中で教室に入るが、周りは俺が遅れたことなど気にせずに先生の講義を聞いている。
俺は自席に腰掛けて窓から空を眺める。
最近は授業というよりかは、受験に関する講義ばかりで、受験を考えていない俺にとっては、関係のないことばかりだ。
午前の授業が終わると、また、携帯のバイブがなった。俺は、文面と差出人を見て眉を顰める。

初雪「なぁ、久美子」

昨日と同じく、隣で話し込んでいる女子生徒に話しかけた。

久美子「は、はぃぃ‼︎ぉ、ぉぼえられてる・・・」

また、昨日と同じく、ひどく怯えている。
別に何もしねぇってのに・・・

初雪「今日も、来栖が来たら・・・」

久美子「は、はぃぃ‼︎何も言いませんから、家族にだけは手をださないください‼︎」

初雪「・・・あぁ、約束する・・・」

また面倒なことになりそうだったので、急いで学校から立ち去った。

初雪「うぅ・・・さぶっ」

モールに来て見たがすることがないし、とにかく寒い。

初雪「店で茶でも飲んで行くか」

賑わっている商店街から人気のなさそうな細い路地を通り抜け、裏路地へと出ると、正面に『カフェ・カンテラ』と英語で書かれた看板がかかた喫茶店がある。
俺はこの店でバイトをしており、店長代理でもある。
店の中に入り、人がいないのを確認すると、棚の中からボトルとビンを取り出しカウンターに座る。
グラスに酒をついで飲もうとすると、人形がこちらをじっと見ているのに気づく。

初雪「お前も一杯やるか？」

答えるはずのない人形に話しかける。

⁇「やらないよ」