21【走馬灯】 ページ23
怨霊が急に私との距離を詰め、攻撃を仕掛けてこようとする
私は咄嗟に盾を構え、攻撃に備える
攻撃しようと振りかぶられた怨霊の腕は、急に口のようなものに形を変える
『…えッ…』
振りかぶられた腕を盾で防ごうとしていた私は、言葉を失ってしまった
その口が、私なんて軽々飲み込めそうなほど大きいものだったからだ
これより大きい盾なんて持ってないし、長槍を持ち直して攻撃する時間なんてない
まずいっ…飲まれる…
私は、怨霊の口の中にある暗闇を見つめることしか出来ない
美咲と花、悲しんじゃうかな…
ごめん…おばあちゃん、助けれそうにないや
オカルト部の皆、ごめん…
頭に浮かんだのは、高校で仲良くしてくれた友達の二人と病室で寝ている祖母の顔、あって間もないオカルト部のメンバーだった
もう終わったと思った
私のすぐ横を何か小さいものが複数通り過ぎる
何…?
その小さいなにかは、私の目の前にいた怨霊を吹き飛ばした
急に視界が開けていく
聞き覚えのある声と共に聞き馴染みのない声も聞こえる
??「まじか!今ので祓えたと思ったのに」
??「おった!!Aちゃん!!」
私の名前を呼んだのは大先生だった
大先生は、黒い翼の生えた金髪の男に俵担ぎにされていた
『大先生!!良かった無事で』
少しの間、安堵していると後ろから再び怨霊の気配がした
一時的に退けただけで、まだ祓えてない
怨霊の飛ばされた方向を見る
土煙の中に怨霊の影が見えてくる
長槍を強く握り直し、攻撃態勢に入る
金髪の男もただならぬ気配を感じたようで、大先生を下ろし、攻撃の体勢をとる
土煙が落ち着いていき、怨霊の姿が見えてくる
私たちが、怨霊の姿を捉えると同時に怨霊がなんの音もなく私の前に現れる
そして、怨霊は私にだけ聞こえるような声で言った
《ﾏﾀ、来ﾙﾈ》
そう言った怨霊は、凄まじい速さでここを去っていってしまった
その瞬間、強ばっていた体が急に脱力し、その場に倒れそうになってしまう
ut「Aちゃん!」
大先生が倒れそうになった私を支えてくれる
『ありがと、大先生。無事で良かった』
ut「Aちゃんこそ、無事で良かった」
あの黒い羽の男のこと聞かないと、それに本当に無事かも聞かないと
頭では、分かっているが段々と意識が遠のいてしまう
それを最後に私の意識は途切れてしまった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まかろん - なんかたまに(名前)？のとこですかね？文字化けしてません？私だけかな…？そのことはおいといて、まじで控えめに言うと物語が神！続きがたのしみです！ (8月30日 0時) (
レス) @page29 id: 0b9bf29afb (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ焼肉にぎり - 怪蘿さん» ありがとうございます!!尊敬なんて恐れ多いです！でも嬉しいです!!ありがとうございます! (2023年5月3日 3時) (レス) id: 667ee122da (このIDを非表示/違反報告)
怪蘿 - 凄すぎです！尊敬します！ (2023年4月9日 9時) (レス) @page15 id: 8f67d60086 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶ焼肉にぎり - エモンガさん» 初コメありがとうございます!!!めっちゃくちゃに嬉しいです!投稿頻度悪くて申し訳ないです。 (2023年2月28日 11時) (レス) id: 331bc2ec59 (このIDを非表示/違反報告)
エモンガ - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (2023年2月27日 17時) (レス) @page10 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こんぶ焼肉にぎり | 作成日時：2023年2月18日 2時
