【歌い手】双子の歌い手は正反対なようです。part3

第129話　月 ページ37

台風凄いですね···今思いっきり通過中の地域は気を付けて下さいね(*｀･ω･)ゞ
ちなみに私大阪在住なので今風がめっちゃボーボーいってます


楓side

司「────♪」


今司が2番のサビを歌っている



奏「相変わらず歌唱力高いよなーアイツ」

『どっから湧いたのよ。それはさておき、まぁそりゃそうよね』


だって司、小学校の頃から歌好きで、いっつも歌ってたもの、と少し笑みを溢すと、奏も少し笑った

奏「だからこその今のアイツだよなぁ···」

『司、努力家だしね』

そんな会話を交わしていると、司が歌い終わっていた



奏「ほら、行ってこい」

『···言われなくとも』


舞台上に飛び出し、舞台袖にはけようとしている司と交替の意味のハイタッチを交わす




『二番手、楓です！聞いてください、“敗北の少年”』

そう言うと、ワァァァッと盛り上がる


ドラムの音とギターのメロディが聞こえる

やっぱりkemuさんの楽曲ってギターとドラム得だ···




『────ぶつかって 逃げ込んで僕は いつしか ここに立ってた』



ただただ歌う

自分の思うままに。

そうしたら聞いてくれてる皆も楽しんでくれるって分かったから



『敗北の少年 現実を謳え あんなふうに空は飛べやしないんだ』



──────楽しい


歌う事が、自分の声をきいてもらえる事が、皆一緒になって盛り上がれる事が。

···もっと、たくさんの人に聞いてもらいたいなぁ





気づけば、曲は終わっていた


『ありがとうございましたっ···』

そう言って頭を下げると、一斉に拍手が巻き起こった

そして、彼方とハイタッチをして舞台袖に戻る



玲「良かったですよっ、楓先輩！」

『ありがと、玲音ちゃんも頑張ってね』

はいっと返事をして、彼女は舞台に出ていった



奏「流石だな、サビの盛り上げ方も上手かった」

『まだまだよ、あれくらいはできないと歌い手なんてやってられないわ』


サビ前の声量もうちょい落としても良かったかなぁ、なんて呟いていると頭に温かい感触があった

奏「···お前はもっと自信もって良いんだからな」



いつもならやめてよ、と笑い飛ばすんだろうけど。

黙って、頷く事しかできなかった









奏の目が、あまりにも悲しそうだったから

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