【歌い手】双子の歌い手は正反対なようです。part3

第127話　月 ページ35

彼方side

奏が隣で難しい顔をしていて、声をかけようとしたけどできなかった

今まで見たこと無いような、そんな表情


苦しみだったり、悔しさだったり、悲しみだったり、そんな感情がごちゃまぜになったような





───────お前は、一人でどんな大きい事を抱えてるんだ？



···luz、いや、光なら知ってるのだろうか

奏の、大きすぎる秘密を



やっぱり、俺は何も知らない





そんな自分が、とてももどかしかった




玲音side


····何か、感づいてる


奏先輩と、奏先輩に疑問を抱いているであろう彼方先輩

まだ駄目だ

全てが片付くまで、絶対に気づかせちゃいけないんだから



玲「っ···」

ここ最近、頭痛がする

それと共に、あの時の事がフラッシュバックする






───────出来損ないのお前なんか必要無いだろ？


───────ﾁｯ···使えねぇなぁ


嫌···やめてっ、



───────貴方をそんな出来損ないに育てた覚えは無いわ！



───────迷惑なの、あんたなんかと一緒に居ると


ごめんなさっ、ごめんなさい···！









『玲音ちゃん！』

玲「っ！は、はい！」


そこで、やっと軽音部の皆が私の事を見ている事に気がついた


『大丈夫？さっきから辛そうだったけど···』

何かあれば、遠慮せずに言いなよと言う先輩に大丈夫です！と返す


こんな事やってたら、いつかバレるかも知れない



気を付けようと思いながら、後夜祭が始まる

第128話　赤→←第126話　赤

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す