私の初恋相手は,亡くなったと思われていた幼馴染みでした。 (ページ9)

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九話ページ9

土方side

土「かぶき町！？」

山「はい。…姫様がかぶき町にいる所を目撃した人が数人…」

土「よりによってタチの悪い………」

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Aside

A「かぶき町だと？」

使用７「はい。目撃情報がありまして……」

A「そうか,ありがとう。」

よりによって…かぶき町か……。

何もなければ良いのだが――――

一刻も早く,見つけなければ…

私がどうこうとかじゃない。

昔から沢山お世話になった,そよ姫様…

ううん。そよちゃん。

小さい頃にここに連れてこられて……

不安でしかたなかった私に,元気づけるかのように…優しくしてくれたそよちゃん。

そよ姫様………と呼んでいたら,『みんながいない時は,そよちゃんって呼んで』

そう言ってくれた。

今でも裏では,使用人ではなく友達だ。

私の………２人目の友達………。

友達を失いたくなんかない…

否,失ってはいけない………っ！！

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神楽side

そ「ガぺぺ……何ですかこれ！すっぱい！じいやの脇よりすっぱい！」

神「酢昆布アル。その酸っぱさがまたクセになるネ。きっとじいやの脇もそのうちクセになるネ」

そ「ないません…ってか嫌です。…城下の人は,こんなものを食べているんですね―――
フフ……初めて見るものばかり。」

神「お嬢さんよそ者アルカ？銀ちゃんやこの街の住人はみんなビンボ臭いけど……お嬢さん,イイ匂いするアルナ。」

そ「ハイ。私……あそこから来たんです。」

お嬢さんが指さしたのは,銀ちゃんから聞いた,あのお城だった。

昔はこの国で一番偉い侍がいたって……

でも,天人が来てから…ただのお飾りになっちゃって―――

今では一番かわいそうな侍になっちゃたって―――

そ「フフ……女王さんはあのお城,知ってますか？」

苦笑いをしながら,お嬢さんが言う。

神「知ってるアル。………逃げてきたアルカ？」

そ「……はい。」

神「どうして……」

そ「私には,沢山の使用人がいるんです。その中に,私にとってとても大事な人がいて―――友達なのに,いつもこき使ってるみたいで嫌で……だけどその子は,私に笑顔で『気にしないで下さい。私は,そよ姫様といられるだけで幸せなのですよ』って言うの。」

そ「その子には,親もいない……身内もいない……それなのに,私といるだけで幸せなのかな…って。」

中途半端ですみません。次いきます(-_-;)