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5-A そして。 ページ8

・ 羚亜 side



 今日で、最後。



 駅から秀明への、この道を歩くのも。


 歩きながら、皆の顔を思い出すのも。



 全部全部、思い出となって、
 心に閉まっておけたらいい。



 そう、思ってた。



 秀明に着いたその瞬間。


 君の姿が向こうに見えるまでは。





 「か…ずのり………?」



 ゆっくりと振り向いた彼。


 縁のない伊達メガネの奥で、
 柔らかな光が瞬いている。



 「羚亜。こっち。」



 『数の上杉』と呼ばれる彼。


 彼に相応しい彼女になるために、
 必死で数学を勉強した。



 彼の隣に並べるように。



 「数学、タイゲームだ。

 お疲れ様。」



 数学、1位



 の横に、並ぶ名前。



 上杉和典


 美野羚亜



 の、2つ……。



 「ありがと。和典と一緒だなんて嬉しい。」


 「俺も。あとは全部負けたけどな。


 オールトップ、おめでと。

 また、理事長が呼んでたぜ。」



 笑みを深める和典。



 嗚呼、このまま、この人の隣にいたい。


 そんな思いが、脳を駆けめぐる。



 「じゃ…行くか、教室。」



 和典、知ってる?


 授業が終わったら、私、この街にいないよ?



 「和典…。」


 「ん?」


 「…今日で、最後…だよ。」


 「っ…んで、言うかな。」



 え?

 怒った?


 慌てて、彼を見上げた。

 ギュッと引き結ばれた薄い唇から、
 和典の気持ちが伝わる……。



 「ごめん。」


 「謝って欲しい訳じゃねえ。

 あークソ。


 …あのさ……言うなよ。」


 「え?」


 「次言ったら……。」



 言葉がとぎれた。


 と思ったら、和典の顔がグッと近づいた。



 驚いて目を見開く。



 照れたように伏せられた彼の瞳。



 そして、一瞬間。





 唇に、柔らかい感触が、した。



 「え…。」


 「次言ったら、こうする。

 ………分かった……な。」



 2人真っ赤になって見つめ合う。





 もう私……心臓保たない。





 和典のせい、だよ。



6-A ドラマ→←4-B


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エイミー(プロフ) - aikoさん» aikoさん!コメントありがとうございます!! 良かったです(*^^*)笑 (2017年8月22日 9時) (レス) id: 18c0d67c28 (このIDを非表示/違反報告)
aiko - とっても泣きました。 (2017年8月18日 0時) (レス) id: 27fa10d97e (このIDを非表示/違反報告)
エイミー(プロフ) - kokoa様☆ありがとうございます!頑張りますー♪ (2016年3月12日 21時) (レス) id: c472ba4c17 (このIDを非表示/違反報告)
kokoa - すごく面白いです!続き楽しみにしています!(^^)!更新頑張ってください<(_ _)> (2016年3月12日 18時) (レス) id: 74a47641c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エイミー x他1人 | 作成日時:2016年3月6日 16時

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