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 惣菜パンの最後の一口を押し込んだ。問はぽかんとした顔で私を見ている。

「え……僕。──東問。……ですか?」

 呆気に取られたような表情で自分を指差す問に、正解、と半ば投げやりに返した。……ああ、柄にもないことするんじゃないな。お昼を食べ終わって手持ち無沙汰になってしまった。問の視線に頬が紅潮するのを感じながら、スマホを取り出す──。

「──問題」

 ポケットに入れたその手は、彼の声で動きを止めた。

「……abc the21stで僕が一目惚れし、紆余曲折あって現在彼女になっている人物は?」


『……え? 一目惚れ?』
「いいから答えて」
『……はい。私です。AA』

 消え入りそうなほどか細い声で答えると、せいかーい、とゆるい声が隣から聞こえてきた。

(一目惚れ、って……)

 聞き間違いかと思った。……いや、この距離で問題文を聞き誤るなんて、そんなことはないだろう。この流れで嘘をつく必要性もないし、ということは──。

(……一目惚れ)

 そんなこと、言われたことなかった。……というかそんな素振りもなかったし、問も私と同じで関わっていくうちに恋に落ちたものだとばかり思っていたのだ。

『いやー、その問題は後フリまで聞かないと無理だね』

 前半って私の知らない情報だし。照れ隠し、みたいにそう呟いて、ふっと隣を見た。……見た瞬間、ばっと顔を逸らしてしまった。

 俯いた髪から覗く耳が、真っ赤だったから。

 鼓動が速くなる。どうか聞こえていませんように、と思いながらもう一度彼の方を見やると、上目遣いのじと目で見つめられたあと、恥ずかしそうにんー、と唸りながら下を向かれて、今度こそ心臓が止まってしまったかと思った。


 ──前言撤回。やっぱり私はまだ、彼の上目遣いにすら慣れていません。

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鳩麦こおり(プロフ) - 犬子さん» そう言っていただけて嬉しいです...! ありがとうございます🥰 Wデートの更新はだいぶ時間がかかると思うんですが、気長にお待ちいただければ幸いです🙇‍♀️ (2月18日 10時) (レス) id: 5ea5a9dd22 (このIDを非表示/違反報告)
犬子(プロフ) - 初めまして。年上彼女×mnの組み合わせと主様の表現力に終始ニヤニヤしつつ読ませていただいています!gnちゃんもかわいい…Wデート、拝見できると嬉しいです…。大変尊かったので思わず感想をお送りしましたm(__)m (2月16日 1時) (レス) @page13 id: 7ba156e249 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鳩麦こおり | 作成日時:2024年2月4日 13時

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