義務教育むかしばなし【実話】 (ページ4)

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少女と魔法のペンページ4

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むかーし昔、これを読んでいる皆んなが
学校に通う前の頃。

とある学校に通うSという少女がおった。

Sはいわゆる「勝ち組」と呼ばれ、
テストでいつも100点、
先生に依怙贔屓され、なんと恋人もおった。

ある時、Sは恋人に別れを告げた。
どうも恋人の自嘲癖に疲れたとのこと
だったそうな。

すると次の日から心なしか周りの視線が
冷たい気がしてならないとSは親友に
話したが親友は皆んな
「そんなことないよー」と笑い
飛ばしたそうな。

ある日、Sがトイレから教室に戻ると、
同じクラスの女子がSの教科書にペンで
落書きしているように見えた。

Sは急いで駆けつけ、
「私の教科書に落書きしないで！」と
言ったのだが教科書には全く落書きの
跡がなく、女子が持っていたペンも先に
色が全くついていなかった。

これは落書きしたフリだと説明されたSは
ホッとして次の日もその次の日も
同じことをされても笑って許したそうな。

ある日、Sはテレビでとある
少女漫画雑誌のcmを見た。

当時はまだスマホはおろか、携帯電話も
持っていれば学校の人気者になるくらい
普及しておらず、子供、特に女の子の
流行の最先端は少女漫画雑誌と
子供向け番組が占めていた。

そのcmでは雑誌についてくる付録の
宣伝をしており、書くと透明で何も
見えないが、ペンについている特殊な
ライトを当てると文字が浮かび上がる
という大変不思議なものだった。

それを見たSは、そのペンも先に色が全く
ついていないことに気づいた。

Sはすぐにその雑誌を買い、ペンを
手に入れ、教科書をライトで照らした。

すると「バカ、アホ、死ね」などの
罵詈雑言がたくさん浮かび上がった。

Sは母に泣きつくと母は大激怒。
母はこのことをSの担任に報告したそうな。

早速Sと母、担任でそれを確認した。
担任は同じ文字をよく見ると少し違う
ことに気がついた。

担任はこのことをクラスに持ち出し、
「やった人は起立してください。」と
犯人探しを始めた。

するとどうだろう、S以外の女子が
全員立っているではないか。

話を聴くと、どうやらSと別れた
元恋人は女子の人気者だったらしく、
そんな人気者と別れたSが許せなかった
結果、これを思いついたらしい。

こうしてSの通う学校では文房具の
規制が厳しくなり、二度と同じようなことは
起きなかったとさ、
めでたしめでたし。