【はた細】お嫁さんになって！【4989】

盛大にやらかした ページ24

それは少し前のこと。

――あらあら、酸素の配達が遅いと思ったらこんなところで油売ってらしたのね。
――マクロファージさん！？
――！お疲れ様です！！
――まあ仲良くくっついちゃって。うふふ。とても眼福だけれど、お仕事はさぼっちゃダーメ。
――お、恐れながらさぼっているわけではないんですマクロファージさん、実は俺もう一つの酸素を待っていて…
――あら？もうお一方の赤血球ならもうそちらにお着きよ。この空間に入ってこられなかったんじゃないかしら…。
――うっ…
――完膚なきまでにやらかしましたね4989さん…
――あなたもよBDA番ちゃん。今回は番そろっての失態と見たわ。と、いうことで、今回は二人に罰を与えまーす♡
――…罰……。
――…つ、つがい……？
――まず好中球くんは、外で遊んでいる骨髄球くんたちを全員一人残らず校舎に入れること。それからBDA番ちゃんは…そうね、私と一緒に来てください♡
――ヒッ…！？
――Aちゃ、
――あら大丈夫、あなたの大切な奥さんに悪いことはしないわ。じゃ、行きましょう。
――いえ私4989さんの奥さんでは
――私そう聞いたわよ？うふふ
――噂に尾ひれどころの騒ぎじゃない…絶対噂に九尾レベルで何かついてる…
――こうなったらもう結婚しよう！
――えっ頭に酸素回ってます？配達して差し上げましょうか？
――もーぉ。痴話喧嘩は間に合ってるの♡早く、Aちゃんにアレ着てもらわないと。
――あっ、わっ、
――Aちゃん…無事に帰ってくるんだよ…


「だからってまさかこんな…精神的に抉りにくるなんて…」
「可愛いじゃない。まだうぶなのかしら、脱核したての赤血球のようだわ」
「褒められてるんですかそれぇ…」
「ふふ。でも仕方ないの、今日は本当に人手が足りないのよ」
「そうなんですか？」

ええ、と廊下を進みながら、マクロファージさんはゆったりと頰に手を添える。

「実は最近、赤芽球ちゃんたちがよく転んでしまうのよ…怪我はとても危険だから、何が原因なのかしらと必死に考えたらね、どうも制服の着方をしっかりできてないみたいなの」
「あっ、そういえば先程私に追突して転んじゃった赤芽球の子がいました。確かに裾が長かったような…」
「ええ。迂闊だったわ…基本的なところを甘く見ていた。それで、きちんとした着方を先生たちでそれぞれに教えていこうってことになったのよ」
「確かに、個人個人を見て回るには人手がいりますもんね…」

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