邪神に憑かれるとかツイてねぇ！！ (ページ21)

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そういえば…… ページ21

季節は冬へと入り、朝は冷たさが目立ってきた頃。
大学の休憩スペースで親友と昼食を取っていたナワーブは、ふとあのカップルのことを思い出した。
ナワーブがとばっちりを受けた、あのクラスメイトの男。ハロウィンの時も、今日も姿を見ていない。なんとなく嫌な予感がして、親友に尋ねる。

「なあ、アイツって今休んでんの？」
「あいふっへ？」
「飲み込んでから答えてくれ。同じクラスのアイツだよ、女遊びが激しい……」

そう言うと、納得したような面持ちで頷く親友だったが、すぐに真面目な顔になった。

「そっか。ナワーブは知らなかったのか」

━━アイツ、死んだんだって。

周りの音が聞こえなくなった。死んだ。目の前の親友は確かにそう言った。

「……なん、で」
「さぁ……突然だったらしいぜ。なんか数日前から様子がおかしかったらしくて、いきなり女が来るって叫び出したかと思ったら、家を飛び出して交差点に突っ込んだんだと。そこに運悪くトラックが通っちまって……」

即死だったらしい。
冷や汗がナワーブの額を伝う。ハスターは、あの怨霊を男に返したと言った。もし、それが本当だったなら。

「あぁ。ちゃんとあの怨念は、目的のモノを連れていったようだな」

脳内でハスターの声が響き、無数の赤い目が細められたのがわかった。