縺翫◇縺ｾ縺励″ ページ15
グン、と今までうんともすんとも動かなかった腕が唐突に動いた。ナワーブは目を見開く。動いた腕は自身の腕ではなく、あの紫色の触手になっていたのだ。
荘園の頃のハスターのように。
ナワーブの上に乗りあがっていた女が触手に横っ面を殴られ吹っ飛ぶ。そのまま壁に激突するかと思いきや、その姿は壁の中に吸い込まれて消えた。
「っげほ、ごほっ、ごほっ…！」
空気が一気に肺の中へ入り込み、激しく噎せる。ぜぇ、はぁと荒々しく呼吸をしているとポンポンと背中を軽い力で叩かれる。
「ゆっくりと息を吸え」
今まで何で黙ってたのか、あの女の存在に気づいていたのか、と聞きたいことは山ほどあるが今は息苦しさを何とかする方が先だ。
言われた通り、ゆっくりと深呼吸をする。ドクドクと忙しなく動いていた心臓が落ち着きを取り戻した頃、息苦しさも無くなってきた。
「っハスターてめぇ、今まで何してやがっ……！？」
文句を言い終わる前に、ハスターの触手によってベッドの壁際に引きずられる。なんだ、と壁の方を見てみると先程の女が吸い込まれた壁が真っ黒に変色していた。
唖然と壁を見つめていると、その暗闇から真っ白な手がゆっくりと出てくる。
「ほぅ……まだ足掻くか。活きのいい怨念よ」
愉快そうに笑うハスターの声が響く。
ゆっくりと上半身を出してくる姿は、まるで数日前に友人と見たジャパニーズホラーを思い出させるよな這い出方である。
遘√?縺薙→縲∬ｦ九∴縺ｦ繧九ｓ縺ｧ縺励ｇ！！
もはや言葉ではない声が金切り声のように響き、思わず両手で耳を塞ぐ。頭を振り乱し、四つん這いでこちらに走り寄ってくる。まるで虫のように素早く動くその姿に、小さく悲鳴が出た。
「ハスターっ」
「問題ない」
ハスターが節くれた人差し指をクイ、と動かすと床から何本もの触手が生え、上から女を押さえつけた。ナワーブの目では到底捉えきれない、とてつもない速さであった。
うめき声を上げながら女は抜け出そうと動いている。ギリギリ、と歯軋りをし憎らしげにハスターを睨みつけた。
「面白き怨念よ。我を見ても何も思わぬか。……いや、思えぬが正しいか」
そう呟くと、ずるりとハスターが女に近寄っていく。何をする気だ、と様子を見ているとハスターはナワーブを振り返らずに言い放つ。
「傭兵よ、目を瞑っていろ。ここから先は、其方が見るには辛すぎる」
「辛い……？」
彼女は誰か→←わわたたtたたししののnoののののこkoこここととt
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作者名：百日草 | 作成日時：2020年10月12日 19時
