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「ありがとうねえ。ほんと、助かったよ。」

「よかったらこれ、使ってください。」

「いいの?」

「はい!」

「ごめんねぇ。ありがとう。」



雨に濡れていたから、このままでは風邪をひいてしまう。


たまたまポケットに入っていたハンカチを渡すと、おばあさんは丁寧に頭を下げてくれた。


と、そこで、家で待っている海斗のことを思い出す。



「失礼します!」



そこからは爆速ダッシュ。


無事に湯たんぽをゲットして、ついでにガーグルベースンも買ってまたダッシュで帰った。



「お待たせ!」



急いでリビングに入った途端、つんと鼻をつくこの匂い。



「海斗!」

「っはあ、げんた、ごめん、」



見えないからきっと袋に吐くのも難しかったんだ。


照準があわずにこぼれてしまったであろう嘔吐物が、クッションと服を汚している。


海斗の顔色はさっきよりも悪く、右手はお腹をぎゅっと押えていた。


とりあえずうつるものだったら共倒れしちゃうから、マスクと手袋をつけてみる。


さっと汚れた部分を拭いてさっき買ってきたガーグルベースンを渡すと、海斗は確かめるようにそれを触っていた。



「ごめんね、袋使いづらかったよね。」

「これ、…」

「気持ち悪くなったらここに吐いてね。着替えだけ頑張れる?」



されるがままの海斗を着替えさせて、支えながらベッドまで連れていく。



「おれ、ソファ汚した?」

「クッションだったから洗えるよ。大丈夫だよ。今湯たんぽ用意するから。」

「ごめん…ごめんね、元太。」



痛みからなのか、精神的なものなのか、じわっと涙を滲ませた海斗のお腹に、湯たんぽを当ててあげる。


お腹温めたらちょっと楽になるかなと思ったけどそうはいかなくて。


急に眉間にしわを寄せて、あからさまに痛がり始めた。



「ぅ〜〜…っ」

「海斗?お腹痛い?」



苦しそうに頷く海斗を見て、あの時を思い出す。


同棲を始める前、俺が大学生の頃、ちゃかに頼まれて海斗の家に駆けつけた時。


意識のない海斗の姿がフラッシュバックして、途端に頭が真っ白になりそうになる。

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麦茶(プロフ) - イカさん» コメントありがとうございます!実は私もちゃかまちゅ好きで、イカさんの書くちゃかまちゅはいつも胸ギュッってなりながら読ませてもらってます🥹ちゃかまちゅのお話書いてみますね! (2022年7月27日 23時) (レス) id: 8051f4f5a3 (このIDを非表示/違反報告)
イカ(プロフ) - コメント失礼します!私は重度のちゃかまちゅ厨でございまして、宮近松倉ペアのお話を読みたいです! (2022年7月27日 20時) (レス) id: bba6564774 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - 目玉焼きさん» わーんそんな嬉しい感想をいただけると思ってませんでした( ᵕ ᵕ̩̩ )リクエストと感想をまでありがとうございました!またまつまつのリクエストございましたらお待ちしています!引き続きよろしくお願いします( ᵕᴗᵕ )" (2022年7月8日 0時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)
目玉焼き(プロフ) - リクエストお応えいただきありがとうございました。リクエストして良かったと心から思います。麦茶さんの書く青橙の関係性が大好きです!最高です!!!! (2022年7月7日 23時) (レス) id: 520e062079 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - 目玉焼きさん» 目玉焼きさん、リクエストありがとうございます!かしこまりました。お時間頂くかもしれませんが、書いてみますね🙆‍♀️ (2022年6月28日 0時) (レス) id: 0801fa33aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麦茶 | 作成日時:2022年5月8日 10時

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