激辛が平気なのは ページ10
「あれ……こんな店、ここにあったかしら」
カワサキの店の向かい側にある店を見上げる。ふうん、見た所フランス料理店みたいね。カワサキの向かい側に建てるっていうのが、挑発してるって分かりやすいわ。手製のシュークリームを頬張り、行列の先を瞬時に察した。
成る程ねぇ。そりゃあ雰囲気が良くて美味しそうな匂いの漂う方に行っちゃうわよね。それに対してカワサキの店には閑古鳥が鳴いている。……仕方ないわね、カワサキの店に行きましょう。
「こんにちは〜。」
「あら、A！ こんにちは。」
扉を開いた先には、フーム姉弟が客席に座ってカワサキと話していた。
「あら、二人ともいたのね。ねぇ、カワサキ」
「な、なぁに？」
「一体何があったの？ 貴方の店に人がいないのは日常茶飯事だけど……あまりにも酷いわ。何やら向かいに店もできてるみたいだし」
その異常さに心配すると、カワサキは少し涙ぐんだ。そのまま声を上げて泣き出すものだから、思わずギョッとして焦ってしまう。
「ちょ、ちょっと大丈夫⁉ 私何かいけない事言ったかしら⁉」
「違うんだ〜……俺を心配してくれる人が居るとは思わなくてぇ」
「……」
かなり参ってる……。フームに目配せすると、苦笑いを浮かべられる。そもそもの話、今までよくこんな調子でやってこられたわね。ライバル店が開店したらすぐさま赤字だなんて……よっぽど村人さん達は食事処が無かったのね。
「それにしても、フランス料理なんてまた贅沢よねぇ〜。あっちは分かってるわ」
中々口にできないものを売りにするのはかなりの商売になる。今度からそのような類の料理も挑戦してみようかしら。
そう思いふけっているうちに、ボルン署長が入店してくる。どうやらここで食べるつもりらしいが、理由は案の定「向こうが混んでいるから」らしい。……うん、まぁ至極当然よね。あからさまにがっかりしたカワサキだが、ここは料理人。きちんと料理は振る舞うつもりらしい。
「嫌な予感がするのは、私だけかしら」
「え？」
「何でもないわ」
まあその予感は、いとも容易く的中する事になるのだが。
「あらぁ。また刺激的なモノ作っちゃったわね。」
ボルン署長が置き去りにしたラーメンの汁を飲む。唐辛子ひと束ごっそりね、これは。三人が奇っ怪な目で見て来たけど、実際辛さは平気なのだから仕方がない。その辛さは村中に広がり、カワサキは今までにないくらいに繁盛した。斯くして、この地に激辛ブームが訪れたのであった。
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RionKirby - 最新頑張ってください!楽しみにしています。カービィの姉とカービィが自分と弟見たいで面白いです!続きを楽しみにしています。 (2022年1月6日 20時) (
レス) @page11 id: 41b14aab6b (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - ニート民族さん» 頑張ります〜ありがとうございます_(:3 ⌒ﾞ)_ (2017年11月12日 23時) (レス) id: 8e78fb62fe (このIDを非表示/違反報告)
ニート民族 - 更新頑張って下さい！！ (2017年11月12日 4時) (レス) id: 9f52fdc1ec (このIDを非表示/違反報告)
Taruru(プロフ) - 孤独の錬金術師×孤独の獄卒×孤独の海賊×孤独の剣士さん» リクエストありがとうございます！そうですね、結婚や結婚後の話は書いてみたかったので、そう遠くない内に書こうと思います！ (2017年8月30日 0時) (レス) id: 4525ec543d (このIDを非表示/違反報告)
孤独の錬金術師×孤独の獄卒×孤独の海賊×孤独の剣士 - 「メタナイトの盟友は生きてました」の結婚の話と子供ができた話もみたいです！！。 (2017年8月29日 7時) (レス) id: 507f5c40b1 (このIDを非表示/違反報告)
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