【２】・ ページ3
No Sibe
とある商人の娘がいた。両親はもう亡くなっており、娘は1人で両親の仕事を引き継いでいた。
ある日、とある仕事で我々国へ向かうこととなった娘は、荷台に荷物を詰め、馬の上にまたがって森を走っていた。
すると突然、馬が小さく唸り声を上げて足を止めた。娘が「どうしたのか」と馬の様子を伺おうとした瞬間、森の中からざわざわと物音が聞こえてきた。
娘が「おかしいな。この辺は人通りが少なくて、殆ど人は通らないって聞いたことがあったんだけれど。」と疑問に思ったのも束の間。物陰から体長が３メートル程のヒグマが飛び出してきた。
ヒグマは飢餓状態な為か、大変興奮しており、今にも襲いかかってきそうな勢いであった。
その瞬間、娘は死を覚悟し、目を固く瞑った。しかし、いつまで経っても痛みに襲われることはなく、その代わり、先程まで聞こえていたヒグマの唸り声は聞こえなくなっていた。
何事かと娘が目を開けると、そこには首の無いヒグマと剣を持った青年の後ろ姿があった。
「間に合ってよかった……」
「…ｯえ……。」
娘にはその青年に見覚えがあった。その姿も、その手に持っている淡く虹色に光る剣も。
その人物とは、娘が昔、好きで何度も繰り返し読んでいた"色の見える剣士の絵本"の主人公にそっくりだったのだ。絵本で見ても美しかったが、こうやって実際に目にすると、娘は言葉を発することができない程の感情に襲われた。
「怪我してませんか？」
「だ、大丈夫です。」
青年は刀を鞘の中にしまって、娘のほうに振り返った。娘はその青年の顔を見た瞬間、確信した。彼はその絵本の"色の見える剣士"だということを。
「どうやら間に合ったようでよかったです。」
「はい！助けていただいてありがとうございます。」
娘は、青年はあの後に姿を消したと記されていたことから、今ここに存在しているのが不思議でたまらなかった。それに、見た目があの絵本に描かれていたものと全く同じであり、娘は違和感を覚えた。
「あの、この先が我々国であってますか？」
「え、はい。この道をまっすぐ進めば着くかと。」
どうやら、青年も遠くからわざわざ我々国に向かって歩いていてきたらしい。娘は、「荷台に乗っていきますか？」と聞いたが青年は「大丈夫」とだけいい歩を進めた。
最後に「教えてくれてありがとう。この先にも害獣がいるかもしれないから気をつけてね！」と言い残し、森の中に姿を消していった。
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見る専のぴゃあ(?)(プロフ) - しめじさん» こちらこそ素敵な作品を読ませて頂いてありがとうございます！占ツクのコメ自体初めてなので優しく対応して頂けて嬉しいです…！これからも応援させていただいております…！コメント失礼しました…！ (10月16日 17時) (
レス) id: 539599b349 (このIDを非表示/違反報告)
しめじ(プロフ) - 見る専のぴゃあ(?)さん» 初コメントありがとうございます！確かにそこはknさんの発言でした…。混乱を招いてしまって申し訳ないです。訂正させていただきますね。 (10月16日 17時) (レス) id: 095fd86269 (このIDを非表示/違反報告)
見る専のぴゃあ(?)(プロフ) - コメ失礼します…！15話の最後から二番目の「」はknさんの発言だったりしますか…？htさんは登場されていない気がして…初コメがこれでごめんなさい、まだ15話までしか見れていませんが、とても素敵な作品で既に惹かれてしまったので、続きを読むのが楽しみです、！ (10月16日 0時) (レス) @page16 id: 539599b349 (このIDを非表示/違反報告)
かれーるぅ。 - わ....!コメント返信してくださってる....!?ありがとうございますッッッ!!!!!更新されるたびに、わくわくしながら見させていただいております！！ (8月30日 20時) (レス) @page31 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
しめじ(プロフ) - かれーるぅ。さん» 初コメントありがとうございます！そして、こんな作品を読んでいただき、ありがとうございます！とても嬉しいですし、これからの励みになります。これからも更新頑張るので、今後もよろしくお願い致します！ (8月29日 23時) (レス) id: 095fd86269 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しめじ | 作成日時：2023年8月18日 16時
