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五拾参の幕(大和守安定side) ページ6

安「?」


清光の手元で一際目立って見える朱。
僕の爪や瞳とは正反対の色。


安「それ、何?」

清「?これ?髪飾り!Aにいいかなーって」


現世ではしゅしゅ?っていうらしい。
主たちが買い物中、長らくずっと考えていたものだ。
僕がどれだけ退屈だったことか。


清「あー、楽しみー!」

安「…女子じゃん」


帰路についている途中、何度も小さな紙袋を見てはニコニコと頬を緩む様子。
…若干僕でも引いてるけど、好きなんだなぁ。







薬「誰が重症なんだ?」

小「…獅子王と、A…」

清「は!?なんで!?」


分かりやすいくらいに極端に青ざめていく顔。
今まで見たこともないくらいの速さでブーツを脱ぎ捨て、清光はドタドタと手入れ部屋に走って行った。

もし寝てたらどうすんだよ…起きるじゃん。
僕も草履を脱ぎ、その後について行った。


安「ねぇちょっと、清光うるさいよ」

清「は!?」

安「寝てたらどうすんの?起きちゃうよ?」

清「う…」


余程本人は焦っていたらしい。
僕の言葉で冷静になった清光は、走るスピードを緩めた。

御手杵の口ぶりからすると、重傷と言ってもそこまで酷くはないのだろう。
去り際に聞いた歌仙も熱中症と言っていたような。


清「入るよ…?」


一応中にいるであろうAと獅子王に呼びかけ、ゆっくりと襖を開ける。
返事は帰ってこなかったみたいだし、寝てるのかも…


『ん?おお、お帰り』

清「え、あ、ただいま…」

安「いや、何普通に挨拶してんの」


何か普通に元気じゃん。
僕も若干心配してたところあったけど、清光なんて、肩透かし食らっただろう。

ちゃんと起きてるし……
獅子王はまだ寝てるみたいだけど、なんというか…練度が低いから回復早いのかな…


清「っもう、ほんっとに心配したんだから!」

『ははは…それはすまなかったな』

清「どこか痛いとこない?体調は??」

安「しつこい」

清「はぁ!?」

『休んだからいくらか回復したぞ』


清光の質問攻めにも狼狽えず、返答していくA。
僕だったら2、3問目くらいで無視するかも。


清「…ねぇ、A」

『なんだ?』

清「明日の朝さ…朝餉前に俺の部屋に来て?」

安「…」


清光の後に立っている僕に見える位置。
小さな紙袋を後ろに隠し、僕に目で合図を送ってくるコイツ。

「言うな」


『分かった、では明朝にうかがおう』

清「約束ね!」


こんなに嬉しそうに笑う清光、なんだか久しぶりかもしれない。

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ハク(プロフ) - とっても面白かったです!!番外編もみてみたいです! (2017年4月10日 17時) (レス) id: a0d23eb5b6 (このIDを非表示/違反報告)
新雪 - 最後涙でそうになった。w (2017年1月4日 1時) (レス) id: 295e266782 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はせがわ | 作成日時:2016年5月2日 20時

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