私には使命があります2 (ページ27)

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七拾四(烏side) ページ27

《新しい刀剣を試験的に実装いたしました》

その一言のみが添えられた文。
何度も鍛刀を試みてはいるが中々に…難しい……

姥｢…まだ出ないのか？｣

｢んーちょっと待ってねー？｣

あと少しで終わるこのキャンペーン。
未だに手に入ったという情報がないため、レシピすら分からない。

青｢主？…またここにいたのかい｣

あれから日が過ぎた。
忘れ去ってしまいそうな時間が。
けれど彼らの中で、ちらちらと未だに記憶とかなにかが見え隠れするらしく、たまに物思いに耽る時もある。

｢んんんんん……｣

青｢…全刀揃えた主でもダメだとはねぇ…｣

姥｢偶然だったんじゃないのか｣

こいつら、初期刀と近侍のくせに辛辣…
これで最後！と適当に資材を詰め込む。
富士札も放り込み、ひたすらに祈る。

“2時間”

｢…んー……｣

青｢残念でした、かな｣

姥｢早く顕現してみろ、その刀が可愛そうだ｣

渋々、と更に手伝い札を放り込む。
あーあ…タイムアップだ。

ひらひらと桜が舞う。
白い衣服…これは切国…？あれ？

『…お初にお目にかかる。私は藤姫にござ…ん""っ！！？』

見覚えのある姿、聞き覚えのある声。
それらに一番に反応したのは、青江だった。

まるで突進するかのように飛びついた青江につられ、切国も信じられないといった様子でひょこひょこと近付いて行く。

『なっ…ちょ……』

青｢Aちゃん…Aちゃん……！！｣

姥｢ほん、とうに…A…？｣

彼女は一瞬、飲み込めないといった様子で2人を見つめた。
じわ、じわじわ、と赤くなっていく頬。
徐々に上がって行く口角。
Aちゃん、あぁ、変わっていないね。

『は、はは…其方たち…だったか』

ほろり。
彼女の大きくて綺麗な目から雫が落ちる。
もう1人じゃないよ。
誰も、縛る人はいないよ。

青｢Aちゃん｣

おかえり