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六拾七の幕(薬研藤四郎side) ページ20

『ほぅ…ほぅ、これもできるか…』


俺は今、ほんの少しだが、混乱している。


『ふむ、なるほど…これならば打撃の欠点も目立たない…』


つい先程初陣を務めたばかりのAの姉貴。
燭台切の旦那から助けてもらって可愛らしいなとか思ってたあの時。


『…ん?なんだ、もう敵はおらぬのか』

姥「…アンタが全部片付けてくれたおかげだな」


彼女はここまで逞しくなったぜ、大将……

そもそも、あの時長谷部が「自分にしかできないことを」なんて言ったのが事の発端だ。
あれからAは熱心に考えていた。
そして、考えた先が、霊力だった。


燭「…すごいね…まさかここまで…」

へ「正直予想外だ……」


長谷部がここまで言うんだ、本当に俺達はびっくりしたぞ。

いやいや、でもなんていうんだ?
刀のくせに刀使ってないし、本当に妖力だけでぶわーーって。


『まだ試したいことがある。次に行かぬのか?』

三「ふむ…見違えたな。俺が見込んだだけはあるな」

『ふふ…見込まれた覚えはないがな?』


あーーもうこの平安刀たち怖い……
動揺してないのはじいさんだけだし、いや心強いけども…ん?


薬「鳩…?」

へ「主のか?」


広がる荒野に不自然な鳩。
色々ごちゃごちゃと身にまとっているが、俺達を見つけるなり導くように飛び出した。


姥「…何かあったのか?」

燭「どうだろうね…遠征以外であれは見たことがないかな」


確かにそうだ。
あれは遠征にしか使わない。
出陣中に強制帰還することがあっても、あの鳩を飛ばすことは無い。

なら…何故?


三「…あまりいいことは期待出来んな」

『…』


Aの表情が曇る。
もう…妖とかなんかが来たってのか…?


『…無事でいてくれるといいのだが…』


そう言った声は震えていた。

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ハク(プロフ) - とっても面白かったです!!番外編もみてみたいです! (2017年4月10日 17時) (レス) id: a0d23eb5b6 (このIDを非表示/違反報告)
新雪 - 最後涙でそうになった。w (2017年1月4日 1時) (レス) id: 295e266782 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はせがわ | 作成日時:2016年5月2日 20時

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