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六拾壱の幕(燭台切光忠side) ページ14

「じゃあ今日は、出陣してみようか」


朝餉の後、大事な話があるとAちゃんを主が部屋に連れて行った。
それに付いて行く近侍の山姥切くんと、彼女の指導役の長谷部くん。
…について行った僕。
いやいや、暇だったからね?
別に断られもしなかったし。


「隊は切国率いる第一部隊」

へ「俺と燭台切と薬研、太郎太刀と三日月宗近だ」


練度最高の僕らの部隊。
きっと主のことだから、割と楽に帰ってこられる時代に行かせるだろう。

…その部隊に、僕が呼ばれて光栄だ。
かっこいいところを見せたいものだよね。


「一応お守りとか使ってね。検非違使は間違いなく当たらないだろうけど」

燭「僕達が命をかけて守り抜いてみせるさ」

『ふふっ…それは頼もしい限りだな』


あぁほら…君はきっと無意識なんだろうけど、その笑顔が僕らの心を揺るがすんだ。


「戦闘準備については切国に聞いてね」

『わかった』

「じゃ、準備でき次第出陣…ってことで!」


僕ら4人はすぐに立ち上がり、主の部屋を後にした。
向かった先は、刀装やらが綺麗に並べられている小さな部屋。
いつもなら人が多くなってしまう時間帯だが、今日はどうやら僕達だけが出陣するらしい。


『刀装…?』

切「そうだ。出陣の時はこれを身につける」

『綺麗だな』

燭「確かAちゃん…打刀だったよね?」


打刀。
太刀ほど攻撃力はないが、投石や機動や何でも器用にこなす刀。
それに加えて彼女は身軽で機動も速く、特殊能力で偵察力に長けている。


へ「取り敢えず、投石をひとつ装備しろ」

切「当たらなくてもいいから取り敢えず石を投げろ」

燭「君たち随分と…」


まぁきっと、根底には「指1本触れさせないから」というのがあるのだろう。
そういうとこ、本当に不器用だよね、君ら。


燭「はい、…無くしちゃダメだよ?」

『あぁ…ありがとう』


1番真新しいお守りを手に持たせる。
これが1番大切なもの。
使わせる、なんてこと絶対にしないけどね。


へ「後は戦闘に向けて防具を自分で準備しろ」

燭「動きにくいのもあれだけど…しっかり身なりは整えておくんだよ?」

切「あまり遅くならないようにな」

『わかっている』


畳み掛けるような僕らの言葉に多少苦笑いをこぼしながら、彼女は自室に戻った。
そうだ、彼女は僕らが心配していることを知っている。
結構露骨だもんね、普通に気付いちゃうよね、これは。


燭「じゃあ…僕らも準備しようか」

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ハク(プロフ) - とっても面白かったです!!番外編もみてみたいです! (2017年4月10日 17時) (レス) id: a0d23eb5b6 (このIDを非表示/違反報告)
新雪 - 最後涙でそうになった。w (2017年1月4日 1時) (レス) id: 295e266782 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はせがわ | 作成日時:2016年5月2日 20時

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