私には使命があります2 (ページ13)

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六拾(大倶利伽羅side) ページ13

倶｢…｣

今｢こっちのほうが、おんなのこらしくていいですよ！｣

乱｢そうそう！似合ってるよ！｣

燭｢はぁー……｣

倶｢…何故アンタがため息をつくんだ｣

沖田の刀たちと広間に姿を現したA。
恐らく…いや間違いなく加州からもらったであろう髪飾りをつけて。
太刀の奴らや短刀たちが感嘆の声をあげるくらいだ。
まぁ…察しろ。

ただ、それがもやもやとした微妙な感情として残る奴もいる。
若干だが…打刀やら感情を表に出すことが苦手な奴ら………珍しいことだが、光忠とか。

燭｢似合ってる…本当に似合ってるんだけどなぁ…｣

倶｢…｣

燭｢倶利伽羅も、君だってそう思うだろ？｣

気付きたくはなかったけどな。
まさか女ひとりに、馴れ合いを好まない俺がここまで意識するなんてことを。
まだ…受け止められずにいる。

鶴丸のように、友好的に話ができれば。
少しでも近くにいることが出来たら。

倶｢……どうでもいいな｣

燭｢…満更でもなさそうに見えるけどなぁ｣

チラ、と少し遠くに座るAを盗み見る。
初対面はあんなに疑っていたのに、このザマだ。

…もしかあの時手入れ部屋で、もう少し時間が取れていたら。
俺だって…この気持ちにはっきりとけじめをつけられていたのかもしれない。

倶｢…ﾊｧ……｣

鶴｢おぉっと、倶利坊もお熱か？？｣

むしろ、好意を抱かない奴なんているのか？
そりゃあ、俺は特にないかもしれないだろうが…

複雑な気分のまま、俺は朝餉をかきこんだ。