♯006 好きなのに… ページ6
Aside
昨日から色人が何故か
ご機嫌だ
A)ねぇ、どうしてそんなに機嫌がいいの？
色人)え〜いつもと変わらないよ？
まぁ、昨日すごくいいことがあったぐらいかな
『ピンぽーーん』
あれ、宅配便がきた
なにか頼んだかな？
色人)あ、俺の荷物だ
色人はそう言って荷物を受け取りに行くと
嬉しそうにダンボールを抱えて戻ってきた
色人)じゃーーん、Aのコンサートのための
ドレスを買ったんだ
これ着て、出て欲しいな
そう言って見せてくれたのは
鮮やかなピンク色のドレスだった
可愛い、こんな綺麗なドレス
私に似合うのかな
色人)着てみる？
A)うん！
私は別の部屋でドレスを着てみた
全身鏡でうつしてみると
何か足りない、アクセサリーかな？
そう思い、昔、発表会でつけていたティアラを
つけてみた
色人)A〜？
1人で着れー…
あ、私がティアラを調節している時に
色人がドアを開けて入ってきた
A)あ、っと、どう…かな？
やっぱり、へー…
色人は何も言わず
私のことを抱きしめた
色人)…A、似合いすぎで無理
色人？いつもと様子が違うように感じた
どうしたの？
私はドアを開けようと手を伸ばすと
色人はドアを閉めた
怖い…初めて色人のことをそう思ってしまった
それと同時に目からたくさんの涙がこぼれ落ちてきた
それに気づいたのか色人は
正気を取り戻したのか
色人)はっ、A？
ごめん、ごめんね
慌てる色人をそっちのけて
私は自分の部屋に閉じこもった
震えが止まらない
それと同時に涙を堪えきれない
どうして、こんなに
涙が出るの…
きっと、怖かったのと同時に
色人を拒んでしまった自分が嫌で仕方なかったんだと思う
それから何時間が経ったのか
気づけば、日は落ちてしまっていた
下から声がしない
私は恐る恐るドアを開けて、部屋から出た
下は電気がついておらず
誰もいなかった
色人、どこにいるの
私は気づいたら外に出ていた
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作者名：神姫 | 作成日時：2019年6月11日 8時
