♯004 居場所 ページ4
Aside
色人はたまにどこかへ出かけてしまう
いつも連絡をしてみたいけれど
色人の携帯の番号も知らない
聞いてみようと思うけれど
恥ずかしくて聞くことが出来ない
そんなある日、出かける色人のあとをこっそりとつけてみた
気づかれないように、慎重になりながら
そこはスナックのような場所で
綺麗な女の人が色人に絡んでいる
中には大人の人がたくさんいて
とても私が入れる状況ではない
そうか、色人にはあの家以外にも居場所があるんだ
そう思うとすごく寂しく感じた
きっと私がいなくなっても…
私は色人を追うことをやめ、久しぶりに出た
外で色々見てまわった
どれもこれも初めて見るものばかり
ふいに、私のコンサートのチラシが目に入ったり
すると、私の目にある物が止まった
歩いて帰ると次第に、暗くなり
日が落ちてしまった
早く帰らなきゃ、色人が心配する…のかな？
そんなことを考えていると
目の前から猛スピードで誰かが走ってくる
私は危険を感じ、その場で止まると
色人)A！！！！！
よかった、怪我してない？大丈夫だった？
どこ行ってたの〜
連絡してよ〜
な、なんだ色人か
すごく心配しているみたいだ
A)…連絡先、わからなくて
ずっと聞こうと思ってたんだけど
言い出せなくて
歩きながら、私がポツリと呟くと
色人)あ、そうか、俺だけ知ってるんだ
ごめんね、携帯貸して
素直に携帯を差し出すと
色人は自分の番号を入れてくれた
嬉しいな、これでいつでも連絡が取れる
色人)ほら、ちゃんと登録したからね
そう言って私に画面を見せてくれた
ん？私の寝顔…!?
A)…し、色人？
な、なんでその写真があるの？
色人)え、？あーー！！
こ、これはえっと、あ、こら！A
私は色人から携帯を奪い
写真のフォルダを見た
隠し撮りしてたのかな
私のものばかり
言ってくれれば一緒に撮るのに…
色人)ごめんね、引いた？
A)全然、色人、こっち向いて
そう言って私は携帯で内カメラにして
色人が顔を上げた瞬間にシャッターを切った
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作者名：神姫 | 作成日時：2019年6月11日 8時
