113. ページ18
・
全員が自分の気持ちを優先していた。
気持ちだけが先走って、
それぞれがグループを守りたいとか、
頼られたいとか、
自分たちの希望ばっかりで、
そをみんながみんな押し付けている。
その上、忙しい、なんて顔をして。
いま必要なのは、
誰が忙しいとか、忙しくない、とかじゃなくて、
９人で足並みを揃えて進むことなのに。
全員が、
自分一人でグループを背負っている、
みんたいな顔をして。
支え合う気持ちなんて、
忘れてしまっている。
自分が自分がって、
本当に馬鹿みたい。
佐久間くんと翔太くんが、
よりによって全員が揃う今日、
言い合いを始めたとき、
この人達は本当に何も考えていないんだな、
と思った。
ふっかさんが、
めめを阿部くんのもとに送り出したのも、
なんでめめだったのか。
鈍感にもほどがある。
リハ室に駆け込んできた時点で、
阿部くんの心はもうボロボロだと気づいた。
それなのに、
ドアが開いた瞬間に気がついたのは、
僕と康二くんだけ。
あろうことか、
他のメンバーは言い合いを続行していた。
それを聞いていた阿部くんの目を見て、
僕は何かが壊れる瞬間が見えた気がした。
きっとこのあと、
何を言ったところできっと彼には届かないと、
この時点で感じていた。
僕より華奢な身体で、
どこからそんな力が湧いてくるのかわからないくらいの力で暴れる阿部くんに、
みんなは何の考えなし声をかけて、
動揺しているだけで。
「なんでそうなるの？馬鹿なんですか？
みんなどこまで考えた？
どこまで気づいてた…？
なんのために仕事してるの…
忙しい自分が好きだから？
自分が楽しいから？
仕事が来ることが嬉しいから？」
言葉は止まらず、
矢継ぎ早に兄たちを攻め立ててしまう。
「…阿部くんが不安定なの知らなかった…？
忙しいから気付かなかった？
みんな自分ばっかり…
自分が良ければそれでいいんですか？」
生意気なのは分かってる。
分かった上で、嫌われる覚悟で伝えている。
お兄ちゃんたちは、僕の前でうなだれるだけで、
何も話そうとしない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 766人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haryu(プロフ) - の！さん» の！さん、コメントありがとうございます！とても嬉しいです。ありがとうございます。励みになります！頑張って完結させたいと思いますので、もう少しお付き合いください！ (2020年6月13日 18時) (
レス) id: 70e445560a (このIDを非表示/違反報告)
の！(プロフ) - すごく大好きです。頑張ってください。 (2020年6月13日 0時) (レス) id: 919d8e7977 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haryu
| 作成日時：2020年6月1日 4時
