96.言葉はいらない ページ1
Side:ab
sk「あーべちゃんっ！」
楽屋の隅でぼーっとしていると、
佐久間に声をかけられた。
前までは必死になって勉強用に本を広げたり、
クイズを解いていたりしたが、
個人の仕事を減らしてからは、それをやればやるほど虚しくなってしまうので、楽屋ではそういうことをやらなくなっていた。
だからといって、
他のことをやる気にもなれず、
一人での時間を持て余すようになっていた。
佐久間のこういう気遣いはありがたい。
あの休み明けから、
目黒とも距離を取り始めてしまった俺は、
居場所を失いつつあった。
というより、
勝手にそう感じるようになってしまった。
目黒との距離を取り始めて、
自分が今まで、いかに目黒に守られていたのかを思い知った。
一人でいると、
他のメンバーの個人の仕事の話が
聞きたくなくても耳に入ってくる。
俺はひたすら焦っていた。
自分は何が出来るのか、
どうすればSnowManでいられるのか、
そればかりを考えている。
nb「この間の収録でさ」
今も、翔太と目黒が別番組の収録の思い出について話している。
聞き耳を立てていないつもりなのに、
他の雑音を突き破ってその声ばかりが耳に入ってくる。
耳をふさぎたくなるのを堪えていた。
そんな中、声を掛けてくれたのが佐久間だ。
sk「最近、また無理してるね」
やっぱり一緒にいる時間が長い分、
佐久間には嘘が通じないときがある。
sk「何が、とかは聞かないからさ。
辛いときは側に来なよ。
何も言わなくていいから」
いつもと同じ、
人懐っこい笑顔で佐久間は言う。
sk「何もしてあげられないけど、
隣にいてあげることくらいはできるからさ！」
その、付かず離れずの優しさがありがたかった。
少なくとも甘えベタな自分には。
「ありがとう」
佐久間はニカッと笑うと、
俺の頬を両手で挟んだ。
sk「まぁ、何もなくても、
いつでも佐久間さんの隣は空いてますよ！」
「それはそれで寂しくない？」
佐久間は明るくケタケタ笑った。
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haryu(プロフ) - の！さん» の！さん、コメントありがとうございます！とても嬉しいです。ありがとうございます。励みになります！頑張って完結させたいと思いますので、もう少しお付き合いください！ (2020年6月13日 18時) (
レス) id: 70e445560a (このIDを非表示/違反報告)
の！(プロフ) - すごく大好きです。頑張ってください。 (2020年6月13日 0時) (レス) id: 919d8e7977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haryu
| 作成日時：2020年6月1日 4時
