馬鹿にしないで[TOP4]

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「びっくりしたね、ごめん。

ちょっと座ろうか。」

「…はい。」

叔父さんは来たときと同じように隣に並んでくれて、近くのベンチに一緒に座った。

人通りも少なくて安心できる場所。

「ごめんね、俺が無理やりに連れてきたから怖い思いさせちゃって。」

「いえ、私が弱すぎるんです。お…ガッチさんは何も悪くないですから。

あと、これ。もらってください。」

私がコーヒーを渡せば叔父さんはお礼を言ってプルタブを引いた。

ごくごくとそれを喉に流し込んだ叔父さんはあっという間に飲み干した。

「出番までは楽屋にいな？その方がモダンちゃんもいいでしょ。」

「そう、ですね。」

「向こうまで俺も行くから、安心して。」

「ありがとうございます。」

何だか見られているような気もするけど、叔父さんとの会話を続けて気を紛らわせた。

「あいつね、あの支えてくれた人。」

「ああ、あのヤンキーみたいな人ですね。」

「ふふっ、そう、ヤンキーみたいな奴。

キヨって言うんだ。知ってる？」

「キヨさん…有名な方ですよね。」

「まあ、そうなるかな。

あいつ普段は超静かで大人しいんだけどスイッチ入ると人変わるから驚くと思う。

あと、あの部屋に2人いたでしょ？」

「奥に眼鏡の人とマスクの人が見えました。」

「その眼鏡が牛沢で、マスクがレトルト。

この3人は一緒の時間にステージ出るから覚えといてね。」

キヨさん、牛沢さん、レトルトさん。

「…はい、覚えました。」

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