psycho [TOP4] (ページ12)

今日:26 hit、昨日:9 hit、合計:114,107 hit

鉄の香りページ12

「…で、なんであいつもここにいんの。」

4人が何かの話し合いをしているとき、私は少し離れたところに座りそれを静かに聞いていた。

そしたら何も知らないらしいレトルトさんが私を指さして言った。

「ああ、今回はAも連れてくんだよ。」

「なんで。」

「仕方ないだろ、客に仲間だと思われてんだ。

これで関係のない奴だってバレてこいつが攫われてみろ。

それこそ面倒なことになる。」

「つくづく面倒な女。」

「キヨ、言い過ぎ。」

「本当のことじゃん。」

「足は引っ張りませんから。」

鋭い目つきを向けてくるキヨさん。

私はすぐに目を逸らす。そんな顔、しなくてもいいじゃないか。

「とりあえず2日後の夜行くから、準備しとけよ。」

「ん。」「はーい。」「はあ…。」

私は何も準備することはないし、いつも通りに過ごせばいいだろう。

履きなれない靴のせいで疲れていた足を少しマッサージしてから、また靴を履きなおす。

踵が少し高いから余計に慣れないのだ。

それにこの館は広すぎて移動も時間がかかる。

お陰で靴擦れ(というらしい)も結構してしまった。

まあ、この程度の怪我なら一晩すれば治る。

痛みもそこまでではないし気にしないようにしよう。