吸血鬼さんと人間さん【kzh】

・※事後表現あり 注意 ページ37

この話の続き








(あー…頭ガンガンするかも…)



「んぅ……」



目を擦りながら体を見ると、産まれたままの姿が布団の下にあった。



……服着ずに寝ちゃった。



ちょっと肌寒い。



服を着ようと体を起こすと、ピシッと体が固まる感覚に陥る。



「えﾞ…」



(こ、腰痛った…)



昨日は確か、お酒飲んでそれから葛葉くんと…。



別に体を重ねることは初めてじゃないし、何度もしてきたつもり。



ただ、酒が入った状態でしたのは初めてなわけで。



ストッパーが外れたかのように互いを求めあった昨日の夜は、いつもよりも激しかった。



顔がカァッと赤くなりながらも、隣に眠る葛葉くんを起こす。



「く、葛葉くん…」



「うﾞ…あ、たま…いってぇ…」



「あー…下戸だもんね」



枕に顔を埋めながら唸る葛葉くんの肩をぽんぽんと叩く。



彼の顔がこちらを向くと、驚いたように目を見開いてすぐに目を逸らされた。



「服着ろって…」



「だって…腰痛くて動けない…」



「……あーー」



と、何かを察したかのように声を出した葛葉くん。



若干目を伏せながらこちらを向いて、まじでごめん、と一言。



「あはは、いいよ。大丈夫」



「服取ってくるわ。ちょっと待ってて」



ゆっくりと起き上がった葛葉くんは床に落ちていた服を拾って寝室から出ていった。



優しさが身に染みて、なんだか感動しちゃう。



「…ありがとう」



もう聞こえていないかもしれないけれど、そう呟く。



ベッドに潜り込んでぼーっと待っていると、近くのサイドテーブルに置かれていたスマホのライトが付いた。



「誰…？」



スマホを手に取ると、なんだか手にフィットしない。



(あ…これ葛葉くんのじゃん)



だったら見ないでおこう、とまた元の位置に戻す。



きっと誰かからLINEが来たんだろう。



お仕事かな、プライベートかな。



探究したくなる気持ちを置いておいて、葛葉くんが戻ってくるのを待つ。



「ん、服これでいい？」



「おー、センスいいね」



「……ザス」



「んはっ、何それ」



褒められて照れたのか、口下手になっている。



なんか、初めて会った時の葛葉くんみたいだ。



「あ、そういやさっき誰かから連絡来てたよ。画面光ってた」



「マジ？叶かな」



ベッドに足を乗せて、私の上を超えるようにしてスマホを取る。



スッスッとスマホを操作して通知を確認すると、「あ」と小さく呟いた。

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