さとみくんの彼女担当です。 (ページ16)

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電車ページ16

さ「ちょっ、こっちこっち！」

『あぁごめん！』

さとちゃんに手首をつかまれて、駅のホームに連れていかれる。

私、地図もうまく読めない人だからねｗ

さとちゃんの指示を聞かないと、どうなるかわからない。

さ「あの電車」

『あれかー』

私たちは人の多い満員電車に乗り込んだ。

うわ、人多すぎない？

いわゆる通勤ラッシュってやつ。

さ「離れないように、手」

『うん』

さとちゃんに差し伸べられた手をつかむ。

人に埋もれて今にも離れてしまいそう。

さとちゃんに誘導されて端っこに行ったが、人に押される仕舞いだった。

私は昔から満員電車が苦手だった。

人酔いが凄い私には、人に押されるというのはどんだけ辛いものか。

さ「大丈夫？」

『うん…大丈夫』

なんて言ってるけど、だんだん意識が遠のいていく。

やばい、凄く気持ち悪い。

なんでこんなに人いるんだよ！

まあ、出るの遅れた私が悪いんだけど。

すると何かがお尻を触る感触がした。

え、もしかして…

痴漢とか…？

後ろをゆっくり振り返ると、見知らぬ男性がこちらを見ていた。

やばい、ガチのやつだ。

ただでさえ気分が悪いのに。運が悪すぎる。

私は気持ち悪さに耐えきれず、さとちゃんの服の裾を引っ張る。

さとちゃんはこっちに気づいてくれて、見ていたスマホをポッケにしまう。

さ「どうしたの」

『痴漢…されてる』

そういった瞬間、さとちゃんが私の手をぐいっと引っ張った。

私はさとちゃんの胸元につかまった。

その瞬間、さっきまであった触られてる違和感がなくなった。

「あの人、痴漢してるわ！」

おばさんの声が電車内に響き渡り、後ろにいたおじさんがビクッと肩を震わせる。

おばさん、ナイスすぎます。

すぐにおじさんは周りの人達に取り押さえられる。

日本って本当に平和だなって改めて思う光景だった。

さ「とりあえず次の駅で降りよう」

って言って私をドアのところまで誘導してくれる。

痴漢されないようにか、壁ドンをするかのような体勢になる。

「○○、○○です」

ドアが開いたすぐに、私たちは電車を降りる。

ついでにおじさんも強制連行されていた。

さとちゃんはおじさんの腕をつかみ、警備員さんがいるところまで向かった。

さ「警備員さん、俺の彼女が痴漢にあいまして…」

警備員さんと真剣に話しているさとちゃん。

おじさんはすべてを自白し、連行されて行った。

どんな罪でもいいんで、裁かれてくださいね。