二十八話:守れなかったから ページ35
『さてさて、気を取り直して。』
目の前の呪霊にAは話しかける。
表面上は穏やかに、しかし、その目には確かに怒りが宿っている。
『うちの大切な人後輩たちに何しとん?』
戦いの火蓋は切られた。
次の瞬間、Aの姿が消える。
『空間操作呪法 風爆』
呪霊の周囲に中規模の爆発が起こる。
激しい風と砂煙で、視界が悪くなる。
次の瞬間、呪霊の目の前にAが現れる。
するりと、流れるような動作で刀を出したAは、それで呪霊の腕を切り落とした。
《......何をしたのですか?》
『何って....腕を切っただけ?』
《そんなわけっ》
『何?自分、ウチが術式だよりの雑魚や言いたいんか?』
ふっとAの纏う空気が変わる。
『さぁて、気は逸れてるかな?今だよ。』
パァンと手を叩いたAのいた場所には、いつの間にか虎杖が居た。
『ナイスタイミング!さすがだね、虎杖、東堂!』
虎杖「意外と急に言うよね、楼さん。」
『まぁね。急じゃないとこいつは着いてくるからさ。さ、あとはさ。』
___任せたよ、二人とも
虎杖「えぇ?!楼さんどこ行くの?!」
『人の大切な人の皮かぶって好き勝手やってるクズ野郎潰しに行くの!』
ニッコリと笑ったAは次の瞬間姿を消していた。
『みぃつけた。』
ホラー映画のごとく生首で登場したAに、思わず男は仰け反った。
『さて、君の今被ってる皮は、うちの大切な友達のもんなんよ。返してくれん?』
途中から地がではじめてるAに、男....夏油傑の姿をした何かは、Aに確かな恐怖を覚えた。
『返してくれない?なら....取り出すまで。』
次の瞬間、Aは男の頭を開いていた。中から脳を取り出そうとした瞬間、腕を引かれ投げられる。
くるりと空中で一回転したAは、音も立てず着地する。
『その子が、どのくらい苦悩したかわかるか?!非術師の醜い部分を見て、でも無理やり戦って、そして壊れた!せめて、死んだあとくらいは、楽させてやってよ....』
ポタリとAの涙が落ちる。
苦しかった。見ているしかできなかった。大切な親友が堕ちていく様を。結局何も出来なかった。
なんで?
ウチが無力だからや。
『んなもん分かっとる。せやけど、その体は返してもらうで!』
夏油「しつこいな.....」
『うっさいねん!オノレがどないやつの体に入ろうと興味はあらへんけど、その体はあかん。』
そういった次の瞬間、Aの手には、脳があった。
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甘 - 見てらっしゃるかわかりませんが続き待ってます!!とても好きです! (2022年12月15日 20時) (レス) @page35 id: 5add37374b (このIDを非表示/違反報告)
蜃気楼 - 続き待ってます!!!!!! (2021年12月10日 0時) (レス) @page35 id: c920434a9e (このIDを非表示/違反報告)
テル - 夢主かっけええ! (2020年12月15日 6時) (レス) id: 99cceeea9b (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 流石呪術師。 (2020年12月14日 2時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - リリアを見下すという行為に走るとは思えません。作者様がそれらをわかった上で書いていらっしゃるのなら何も言えませんが、もしそれを知らないのであれば文章を直していただきたいです。長文失礼致しました。 (2020年11月10日 0時) (レス) id: 79a78e1cf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花陽 | 作成日時:2020年10月24日 23時