十二枚目 ページ14
「そこまで!勝者ナナキ!」
オビの腕が審判によって掲げられる
まあなんとも身軽な。と思う
報酬を受け取った彼は笑顔で帰ってきた
「主っ、優勝して来ましたよ。ほら賞金」
「お前勝手になにやってんだ。大体なんだナナキって」
「ああゆう時は偽の名前の方がかっこいいでしょ」
「…全くわからん」
そうこうしているうちにゼン王子達は時間だからと、この場を後にした
王子二人が民衆の前に出るための準備だろう
「ね、お姉さん、俺かっこよかったでしょ?」
ゼン王子達を見送った後、オビがニコリと笑顔でそういう
『…まあ、かっこいいんじゃない?思わず鉛筆握りたくなるぐらいにはね』
「………」
「サク、それ褒めてる?」
白雪が苦笑いで聞いてくる
失敬な
『褒めてるよ。僕が鉛筆握りたくなるって事は、感動を覚えたってことなんだから』
自分でもわかりにくいなぁとは思うけど
ふと下をみると、優勝した人以外の挑戦者募集をして居た
報酬はまたしてもお金だそうで
(王子が居た手前、出来なかったけど…参加してみようかな)
「サク?行くよ?」
白雪の声に我に返る
不思議そうにする二人を見て、反省する
そうだ。何を簡単に約束を破ろうとしているのだろうか
(まだまだ修行が足りないね)
『……あれ?白雪、その髪飾り』
橙の玉簪が白雪の髪にちょこんとささっている
さっき見た時はなかったのに
「あ、これはオビが」
「優勝の景品で、異国の髪飾りだよ。主に可愛いって言ってもらう作戦です」
イタズラに笑うオビ
『確かに似合うね。けど、その前に王子は悔しがると思うよ。主に君からの贈り物って所に』
「まぁ、いい薬ってことで」
ーー
王子二人のお披露目時間になり、僕らはそちらへ向かう
上と下。白雪とゼン王子はまだこの距離だけど、いつかきっと隣に並べる日が来たらいいと思う
「お姉さん」
『?』
「これ、よかったら」
オビが渡したのは、髪留め…バレッタだ
シンプルだけど、細かな装飾で可愛らしい印象を受ける
『…なんで僕に』
「好きな人に贈り物を送っちゃいけないんですかい?」
『…あぁ、そういえば、そうだっけ』
好きな人とストレートに言われて、つい誤魔化してしまう
薄情に聞こえただろうか
「あのさ、サクさん」
『っ…!』
「俺に好意を持たれてる自覚、もうちょっとしてくれないと俺も口説きようがないんだけど?」
至近距離で見つめられて言われると
『…き、気をつけます……』
首を縦に振るしかなくなってしまう
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
