【スタミュ】黒崎蘭丸の従兄弟が綾薙に居るⅥ (ページ36)

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言い訳ページ36

2時間後、起床した虎石と共に哀葉は食堂へ向かう。勿論、男の恰好でだ
食堂に着くなり、魚住と双葉が昨日の出来事を謝りに来たものの、哀葉は気にしてないと言ってその場を収めた
魚住の様子を見る限り、相当こってりと絞られたのだろう

『朝見た感じ、哀音も落ち着いてましたし…それに被害にあったのは俺じゃなくて哀音と二次被害で虎石だし』

「まあ俺も気にしてないっすから。酔った哀音は、すぐ寝るんで」

「二人がそこまで言うなら…本当、ごめんね」

けど、魚住はちゃんと反省してね!と双葉は釘をさす
それは本人が一番わかっているだろう。酔った勢いで、未成年に酒を無理やり飲ませてしまったのだから
二人が朝食に戻った後、虎石と哀葉は顔を見合わせて苦笑した

『うちの妹が迷惑かけたな』

「迷惑だったら、付き合ってないだろ」

遠回しに、昨日のことを謝り、哀葉達は朝食を取りに行く
下ごしらえしていた食材は急きょ呼んだスタッフが、綺麗にさばいてくれていたらしく、彼女はホッとする

「おはよう黒崎、虎石」

二人に声をかけたのは、辰己だった

『お、ルイちゃん。おはよ』

「はよーっす。今日は起きれたんだな」

「栄吾が起こしてくれてね。流石に今日は先輩たちとの合同練習だし、起きもするよ」

『…毎度起こしてもらってるのが普通じゃないんだけどな』

相変わらずの辰己に呆れ顔になりつつ、席に着く。と、辰己は哀葉の首まわりをじっと見ていた

「…黒崎、そのうなじの噛み痕」

『っ…!!』

「それに首筋の絆創膏も。3日前ぐらいからあるけど、どうしたの?」

まさかそこにツッコまれるとは思わなかった哀葉は思わず身を固くしてしまう
いつかは見つかるだろうと思っていたが、こうも早いとは
隣にいる虎石は肩を震わせて笑っている

(くっそ…全ての元凶お前のくせに…!!)

『…従兄弟のとこの猫におもっきし噛まれてな。気に入られてるんだけど、俺がどっか行くとコレだ』

言葉の端々にトゲを含めつつ、それらしい理由を作り上げる。男子校暮らしともなると嘘が増え続けて、心苦しい

「ふふ、嫉妬なのかな」

『さぁ?そのくせ、自分はフラフラすっから気に食わん』

(遠回しに俺に嫌味言ってるな…こいつ)

と思いつつも、口には出さず、静かに食事を続ける虎石だった