【スタミュ】黒崎蘭丸の従兄弟が綾薙に居る

合宿 ページ40

「みかん食べる人ーっ」

『あ、ちょーだいユキ』

哀葉は那雪からみかんを受け取る
反対側の席で星谷が月皇に叱られていた

「マジかよ…風呂の時間はたった30分!?俺は長風呂なんだ!」

「タイムスケジュールは仮だから……飴いる人ーっ」

天花寺の抗議をなだめながら、那雪は飴をだす
皆、楽しそうだ

「つーかなんでこいつがいるんだよ!」

天花寺が指差したのは空閑の隣に座った哀葉
彼女はみかんを頬張っていた

『なんでって…樹さんに誘われたからだけど?』

「そ。俺が誘ったんだ」

夏休みもそろそろ終盤の頃
哀葉は鳳に誘われ、team鳳の合宿に参加していた
お披露目公演の打ち上げなるものを鳳と一緒にしていなかったのも一つの理由だ

「けど、こいつは柊の所のやつだろ!」

『心外だな〜。つばさちゃんの所で練習はしてるが、team柊ってわけじゃねえよ』

「そうそう。哀葉は、オーディションにも落ちてるし、俺が連れてきても問題ないよ」

さりげなく哀葉を刺す鳳
彼女はさほど気にしてはいなかった

「言っとくが俺は来たくて来たわけじゃないからな」

天花寺は降車ボタンを押す
おりるバス停はまだ先だ。それを那雪が伝えると

「添乗員呼ぶボタンじゃないのか」

「普通のバスにそんなもんついてねえ」

『世間知らずの坊ちゃんって怖えなー』


合宿所に着くと、そこは一言で言えば、何か出そうな屋敷だ
鳳は期待していいとは言っていたが、新しいとも言っていなかった

「一階が広間と稽古場、二階が宿泊施設ね。好きな部屋を使っていいよ」

高そうな壺に星谷は近寄るが天花寺が止めようとする
だが、踏み出した瞬間に床が抜けた

『ブフッ、しょーちゃんコントみたいに綺麗に嵌った…くっ』

「笑うんじゃねえよ黒崎!!」

空閑は手すりの埃を拭う
相当汚れているようだ

「なんでこんなに荒れ果ててんだ?」

「うーん…暫く誰も使ってなかった見たいだね」

『別荘のありすぎも困りもんだな』

さて稽古をしようという所で、鳳はやめようと言った
移動で疲れているだろうからと、今日は休みにして、稽古は明日からとの事だ

「じゃ、楽しい時間を。ボーイズ」

『俺も昼寝しよーっと』

哀葉は鳳の後をついていく
残された五人はとりあえず荷物を部屋に置き、各々の時間を過ごすことにした
とはいっても

「こんな山奥で何しろってんだ!!」

天花寺の怒鳴り声が山奥に響いたのだった

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