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二人だけの ページ39

二人はベッドの端に並んで腰掛ける
微妙な空気が二人の間に流れていた

『まさか、このタイミングでバレるとは思わなかった。気が緩んだ俺の落ち度だ…すまん』

「なんでお前が謝んだよ。悪いのは俺だろ」

『いや、俺だよ。和泉なら大丈夫だって思ったのがいけなかった』

深いため息を吐いて、哀葉はベッドに横たわる
腕で顔を覆ったため虎石から表情は伺えない

『隠し通せると思ったが…残念だ』

「まさか、退学とか…」

虎石の脳裏に最悪の結果がよぎる

『ねーよ。お前が話を広めたら別だけどな』

「俺がお前を追い出すようなことすると思うか?」

虎石は手持ち無沙汰だった手を哀葉の頭に乗せて、ぐしゃぐしゃと撫でる

『……思わない、けど。本当だな?』

腕から覗く瞳は彼女には珍しく揺らいでいた
裏切りは人を変えてしまう。哀葉はそれをよく知っていた

「おう。約束だ」

『〜〜っ…ありがとう和泉っ!』

「っうぉ!?」

嬉しさを体で表現するように彼女は虎石に抱きつく
突然のことに彼はそのままベッドにダイブだ

(…おーい。地味に当たってんだけど)

哀葉は今まで抱きついたりしなかったのは隠しきれない胸があったからで
つまり、現在彼にはその感触があるわけで

(こーいうの気にしねえのか…?男装になれたせいとかか?)

ともかく、このままは流石に不味いと感じた彼は哀葉に声をかける

「哀葉ー、そろそろどけるか?」

背を叩くと彼女は体を離した

『悪い。重かったな』

「いや、重くはねえけど。むしろ軽くね?」

虎石は哀葉を抱えて起き上がり、そのまま抱き上げた

「かっる!?お前見た目に反して軽すぎだろ」

『お、おい赤トラ』

抱き上げられるのは子供の時以来の哀葉は困惑する
しかも自分と一つしか変わらない男性に抱き上げられている

『い、和泉…!』

「ん?」

『も、もう、下ろして…』

顔を伏せても分かるほど真っ赤になった哀葉
女子のような扱いを受けるのはほぼ初めてなのだ

「……照れてんの?」

『ばっ、ばか言うんじゃねえ…!照れてねえよ…!』

「いやーそんな赤い顔で言われてもなぁー?説得力がねぇもんなぁー?』

『あーあー!うるせぇな!もう夕飯だから降ろせ!』

「怒鳴んなって。もうちょっとぐらいいいだろ?」

『いいから降ろせチャラ男!!』

その後も二人の接し方はかわらなかった
ただ少し、距離が縮まっただけ

いや、変わったのかもしれない
彼の目が怪しく光った

「哀葉?何やら機嫌が悪いようですが」

『別に!!』

合宿→←気の緩み



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設定タグ:スタミュ , 虎石和泉 , うたの☆プリンスさまっ♪   
作品ジャンル:アニメ
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ディー&ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい!!ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ4の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー!ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月 | 作成日時:2015年11月6日 0時

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