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気の緩み ページ38

寮生活の時とあまり変わらないため、彼女的には同室は虎石で良かったのかもしれない

『はぁあぁぁ…もーむり、限界…』

一番気を使っていたのだ。心身共に疲労が見えるのも仕方がないともいえる
哀葉は肩まで湯に浸かりながらぼーっと物思いに耽る

(でも、楽しかった。海が怖くないなんて初めてだ)

思い切って申渡に話して良かったと思っていた
人を分析する癖があるためか、彼は話を笑ったりせずに聞いていた

「哀葉ー」

『っ…!?な、何だ?』

近くで虎石の声が聞こえて、ビクリと肩が跳ね上がる鍵はかけたはずだというのに虎石の声はクリアに聞こえる

(まさか鍵ちゃんとかけられてなかった…?)

そう考えるのが妥当だろう
洗面所と風呂場の仕切りはカーテンのみ。そのカーテンに人影が見えているのだ

(開けられたが最後だな…これは腹括るしか…)

「そっちにリングのネックレスねえか?」

『ん?あぁ、あるぞ』

シャンプー等が置いてある場所にネックレスが一つ置いてあった
哀葉はそれを取り、カーテンの隙間から渡…そうとした

「わりぃんだけど取って……は?」

彼はカーテンを開けてしまった
哀葉はタオルを巻いてるものの、その胸の膨らみは誤魔化しが効かない
あぁ終わったなと哀葉の頭は冷静だった
まだ固まっている虎石の顔にネックレスを直撃させる

「いって!?」

『変態』

彼女は無理やり、悪戯っ子のような笑みを浮かべて、カーテンを閉めた

「……お前って…」

『何も言うな。殴んぞ』

哀葉は浴槽から上がり、タオルをバスタオルに変える
そしてもう一度カーテンを開ける
困惑している虎石に近づき、側にあったカミソリを虎石へ向ける

『他言無用って、わかるよな?和泉クン?』

黒い笑顔に彼は首を縦に振るしかない

『和泉は悪い子じゃないし、口は軽くない子だって分かってるが、もし口を滑らせたら…ただじゃおかねえよ?』

「…うす」

両手を上げて降参のポーズ
哀葉は満足して、カミソリをどける。着替えるためにカーテンを閉めた

「えっと…哀葉」

『ん』

「お前は本当に…その…女、なんだな?」

信じたくはないという空気が伝わってくる
もう誤魔化しも何もきかない

『ごめんね。女だよ』

着替えを終えた彼女は静かにカーテンを開ける。姿は男子の哀葉のまま
なのに、その表情は少し辛そうだった

『夕飯まで時間あるよな……話しようか』

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設定タグ:スタミュ , 虎石和泉 , うたの☆プリンスさまっ♪   
作品ジャンル:アニメ
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ディー&ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい!!ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ4の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー!ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月 | 作成日時:2015年11月6日 0時

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