結末は ページ27
後半になると、王子の葛藤は増えていく
幻の花園も1000年に1度だけ咲く花も全ては御伽噺だとわかってしまった
それでも皆して、この旅が宝物だと言った
ただ一人を除いて
『ぼ、僕は……なんのために…これじゃあ、お母様がっ…』
あの弱気な薬師が王子を裏切ってしまった
彼には母親を救いたいという願いがあった
それが叶わないとなれば、気が狂ってしまう
大切な仲間に裏切られた王子は気丈に振る舞いながらも、心を痛めてしまう
けれど、恋人になった村娘の前では弱音を吐く
『私は、彼にとんでもないことをしてしまった…詫びたいとは思う。けれど私はその術を知らない…旅をしていて分かったが私は知らなすぎるのだな』
そんな王子に村娘は
『誰一人として全てを知っている者はいません。ですから貴方は自分の信じた物を突き進んでください。私は貴方が何をしようとも味方ですから』
男女の愛をきちんと演じ分ける哀葉
客席は誰もが彼女を見つめていた
そしてクライマックス。本来ならば王子が夢を捨てて王になるという決意をするだけで終わる
だが哀葉は加筆をした
『私は万人を幸せに出来る王になりたいとは思わない。一人一人幸せに暮らせるような国を作っていきたい。未熟だが、皆で協力すれば不可能も可能になると…そう仲間が教えてくれたから』
一人劇ではあるが、決意を示した王子の背には微笑む仲間の姿が見えたような気がしていた
哀葉のした加筆は、王子がどうして王になると決意したのかという理由であった
哀葉はステージ一番前に立ち、高らかに宣言をした
『だから私は王となろう!!仲間に恥じぬような良い王に…!!』
『歌おう!あの栄光を、絆を、愛を…その全てを…!!』
そうして幕は降りる
最後は、アヤナギ・ショウ・タイムに繋げる形で幕を閉じたのだ
放心していた客席は割れんばかりの拍手喝采をする
哀葉は息を吐き、力を抜く。そしてやうやうしくお辞儀をした
『それでは、各チームによるアヤナギ・ショウ・タイムをお楽しみください』
ステージから降り、廊下に来た所でガクッと哀葉は膝を付く
緊張が一気に解け、腰が抜けたのだ
『うわ、やべぇな…動けねえわ』
呆れたように哀葉は笑い、その場に座る
「哀葉ー!!」
『あ…虎石』
「お前すげぇな!…って、どうした?座り込んで」
『ちょーどいいや。肩貸せ』
「お、おぉ…?」
哀葉は虎石の肩を借りて控え室へと向かう
その顔はとても晴れ晴れしていた
やりきった。そんな顔をして
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ディー&ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい!!ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ4の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー!ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2015年11月6日 0時