珍客 ページ15
ギランの問題、海賊云々が全て解決した夜
急に周りの精霊がざわめき、ファランギースに訴えかけてきた
疑問に思った彼女が城を出て迎え入れたのは、若い男女だった
一人はこの陣営誰もが知っている少女 エトワール
それから、どこかで見たことのある模様を入れている青年だった
「エトワール、一体何が…」
「アルスラーン…」
エトワールはその場に崩れ落ちる。疲労困憊なのは目に見えてわかった
「すぐにエクバターナに出兵してくれないか?…イノケンティス陛下を、どうか助けてくれ…!」
「「!」」
『へぇ…』
そんな切羽詰まった状況になっていたのか。とひとりでに笑う。確かにあの王は使えないとは思っていたけど、まさか王弟に見放されて見限られるとは
「お主にこんなこと頼める立場ではないが、どうかエクバターナへ進軍して、我々の国王様を助け出して貰えないだろうか…!」
エトワールはそうアルスラーンに懇願する。だけど、こちらはそういう訳にはいかない。それはダリューンもナルサスも口にした
『エトワール一兵。お前がそれを殿下に頼んで誰が了承すると思う?それに、お前は今自分が言ったこと、分かっているのかい?』
「分かっている…!無理からぬ願いだということも…私にはもう、お前しか頼れる者がいないのだ…!」
「エトワール…」
(相当焦ってるな…)
確かに彼女が頼れる最高位の人間はもう彼以外いないとも言えるだろう
その言葉を彼はどうやら意味深に理解したらしい
「ふぅむ。俺がいない間にそういう事になっていたとは…いやぁ、殿下も中々隅に置けない…」
「邪推はよせギーヴ」
ピシャリとファランギースに一喝される
『今、そういう冗談を言っている場合ではないのだが?ギーヴ卿』
私からも諭せば、流石に渋い顔をして話題を変えた
「……成る程。ファランギース殿とペルール卿の言っていた通り、確かに珍しい客だ」
「精霊は嘘をつかぬものじゃ」
「ところで、そちらの御仁は?」
ギーヴは今まで誰も触れなかった青年へと視線を移す。バタついて、彼の自己紹介も出来ていなかった
(まあ多分、ナルサスにとっての厄介ごとかな)
「私はゾット族のメルレインと申す」
ほら、やっぱり
「……ゾット族」
「彼女に聞いたのだが、実はそちらに私の妹が…「エトワールが来たんだって!?」
タイミングがいいのか悪いのか、アルフリードが嬉々として入ってきた
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奈那 - 完結おめでとうございます!最高のギーヴの夢小説に出会えて幸せです♡こっちが本当のアルスラーン戦記であって欲しかった…。春月様のこれからの作品も楽しみにしております! (2023年2月8日 16時) (レス) @page22 id: baac7d2864 (このIDを非表示/違反報告)
乱中 久(プロフ) - こんばんは。完結おめでとうございます。春月様のギーヴには毎度ドキドキさせていただき、更新が楽しみでなりませんでした。番外編や次回作等、これからの春月様のご活動も応援しております。 (2019年6月4日 20時) (レス) id: d74e0e0202 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 今度はメルレインメインの小説が見たいです。(*^O^*)o(^o^)o (2019年5月30日 20時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃのべる(プロフ) - はじめまして。以前から楽しく読ませてもらってました。完結おめでとうございます。かってではありますが、またギーヴのお話を書かれることを、楽しみにしています。 (2019年5月29日 21時) (レス) id: 7753f34fb2 (このIDを非表示/違反報告)
林香織(プロフ) - 春月さん» 本当に長い執筆お疲れ様でした!ありがとうございます!Twitterの方でセブンにて販売すると仰ってたので、買いに行きたいと思います(*^^*) (2019年5月29日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2017年9月27日 10時