兄妹 ページ16
二人は一度相手の姿を捉えて身体を硬直させたが、アルフリードは気まずそうに横を通り過ぎようとした
「あぁっ!」
けれどメルレインの方が早く、彼女は首根っこを捕まえられた
「アルフリード!」
「あ、兄者っ」
『ふむ。兄妹だったか』
確かに似てる
「お前っ今日まで何処で何をしていたんだっ!」
「兄者には関係ないっ!」
「こら逃げるなっ」
メルレインの拘束をすり抜けてイタチごっこのようにグルグルと追いかけっこが始まった
その間も言い合いは続き、なんでも死んでしまった父親の遺言はアルフリードを族長とするというものらしい
「お前、次期族長だったのか…」
「違うっ!私はナルサスの妻だっ」
「……くっ」
それを遠目で見ていたナルサスに声をかける
『何か言うべきじゃないのか?ナルサス』
「そうだな。他人事じゃないだろう」
「他人事だっ…!」
いつまでそのやせ我慢が続くのやら
「経緯はこれから聞くとして、アルフリードの兄君とあれば歓迎しない訳にはいかないな。エトワールをここまで連れてきてくれたこと、感謝する」
「こちらこそ、今日まで妹の面倒を見て頂けたこと、感謝します」
(お兄ちゃんだなぁ)
ちょっと羨ましい。なんて
そして、こうなった経緯を彼から聞く
王弟ギスカールと仲違いしたヒルメスと共にエトワール、それからマルヤムの内親王を助けたらしい。
それから、ヒルメスが二人の親の仇だと言うこともここで知らされた
その事を知らなかったメルレインは酷く憤慨していたが、仕方がない。ヒルメスもヒルメスで全てが悪人というわけではない
(ただ、ヒルメスにとってマルヤム内親王は助ける価値があったのだろうか)
いや、これこそ邪推だろうか
『ここがお前の部屋だ。好きに使うといい』
「恩にきる」
エトワールの要求を一時保留にした後、とりあえずメルレインを客間へと案内する
彼はアルフリードと話したがっていたが、今の状態じゃ堂々巡りだろう
『まずはゆっくり身体を休めなさい。見たところ、体の負荷が凄い。軍医だった親の聞き齧りの知識で悪いが、このままだと倒れてしまうだろうしな』
「いや、確かにそろそろ限度が来ていた。ゆっくりと休ませてもらおう」
『はは、素直なのはいい事だ。きちんと休みなさい』
扉を閉めてようやく一呼吸。気を張っていたのは私もだったみたいだ
(ペルールにも、疲れてきてしまったかな)
まだまだ彼とは切っても切り離せないのに
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奈那 - 完結おめでとうございます！最高のギーヴの夢小説に出会えて幸せです♡こっちが本当のアルスラーン戦記であって欲しかった…。春月様のこれからの作品も楽しみにしております！ (2023年2月8日 16時) (
レス) @page22 id: baac7d2864 (このIDを非表示/違反報告)
乱中 久(プロフ) - こんばんは。完結おめでとうございます。春月様のギーヴには毎度ドキドキさせていただき、更新が楽しみでなりませんでした。番外編や次回作等、これからの春月様のご活動も応援しております。 (2019年6月4日 20時) (レス) id: d74e0e0202 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 今度はメルレインメインの小説が見たいです。(*^O^*)o(^o^)o (2019年5月30日 20時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃのべる(プロフ) - はじめまして。以前から楽しく読ませてもらってました。完結おめでとうございます。かってではありますが、またギーヴのお話を書かれることを、楽しみにしています。 (2019年5月29日 21時) (レス) id: 7753f34fb2 (このIDを非表示/違反報告)
林香織(プロフ) - 春月さん» 本当に長い執筆お疲れ様でした！ありがとうございます！Twitterの方でセブンにて販売すると仰ってたので、買いに行きたいと思います(*^^*) (2019年5月29日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2017年9月27日 10時
