材料を買いに ページ10
しばらくの間、ソファでゆっくりと過ごす
二人が会えなかった間に何があったのか。二人は語らう
『そっか。もう育成枠か』
「おう。稽古大変なんだよなぁ…まあ柊先輩の指導の時とそう変わらねえけどさ」
『でも、ちょっと睡眠時間削ってる?顔色良くない気がするけど』
と、哀葉は虎石の目元を親指で撫でる
「あー…昼食い損ねたからな。朝もちょっとしか食ってねえし」
『お前馬鹿!そういうことは早く言え!』
彼女はぺちん。と両頬を軽く叩いて叱る
体調管理と栄養管理には人一倍気をつけている哀葉の前で言えば、それは怒られる
『腕離せ。材料買いに行くぞ』
「え、まさか作ってくれんの」
『当たり前だろ!夕飯まで待ってたら確実ぶっ倒れるわ!』
哀葉は虎石の上から下りて、髪を解く
男の姿になるのだろうと気づいた虎石は、慌てて部屋を出ようとするが、彼女に止められる
『いちいち出なくていい。すぐ終わる。後ろ向いてくれればいいから』
そう言っている哀葉はすでにドレスを着た状態でズボンを履いている
後はサラシを巻いて、服を着てしまえばおしまいだ
「あほ。同じ空間内で好きな女が着替えてるとか、手ぇ出せって言ってるようなもんだろ」
『!!?別に、そんなつもりじゃ…!!』
「お前はそうでも、俺はそうやって勘違いすんだよ。外で待ってるから、ゆっくり着替えろよ」
虎石は哀葉の頭を撫でて、部屋を出る
残された彼女は、自分の発した言葉の軽率さを反省していた
まさか、誘い文句になるなんて思ってもなかった。そういう顔で
(……取り敢えず、着替えよう)
着替え終わる頃にはきっと、頬の熱が収まっていると信じて
着替えが終わり、財布と携帯を持つ
長くなった髪はもうハーフアップには出来ず、後ろで一つにまとめるしか他ない
どこか不自然な場所はないか鏡の前で確認してから部屋を出た
何せ、男装は久しぶりだ。どこかおかしければ、気付いてしまう輩もいなくはないのだ
『わり、待たせた』
「いいって。んじゃ行くか。バイク?」
『いや、歩きでいいだろ。ゆっくり話せるしな』
話の続きで会話が途切れたので、それを気にしていたらしい哀葉はそう提案した
「じゃあ歩くか。手でも繋ぐ?」
『馬鹿。今の俺らじゃあらぬ誤解生むだろうが』
「はは。冗談だよ」
寮を出るとばったり北原と会う
南條は第二寮のため、北原とは途中で分かれる
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すず(プロフ) - 最高です……！！更新待ってます！ (2017年10月7日 10時) (
レス) id: 03b18b1ae8 (このIDを非表示/違反報告)
runa(プロフ) - 選曲が神すぎます！めっちゃ嬉しかったです♪これからも頑張ってください(*^^*) (2017年6月20日 0時) (レス) id: 00ce596435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2017年6月18日 9時
