偶然にも程がある ページ5
そして今日が、再び空閑と哀葉が会う日
『しゅーうっ!おはよっ!』
空閑がバイト先に行けば、すでに哀葉はスタッフルームにいた
可愛らしいグレーのドレスと、ワインレッドのストールを身にまとって
彼が見ない間に随分と伸びた髪の毛は三つ編みでお団子を施されている
「おう、はよ」
空閑は欠伸を噛み締めながら更衣室に入り、ウェイターの服に着替える
更衣室を出れば、変わらずそこには女の子の姿の彼女がいる
「なんか、新鮮だな」
『そうか?』
「ちゃんとした女の姿見んのは初めてじゃねえけど、普段の見慣れてるからな」
初めて見た時というのは、虎石とデートした帰りの時のだろう
あの時間帯では哀葉の全体は見えなかった
『まあこっちの令嬢してる姿は見られるとこそばゆいから、あんまり見ないでくれると…』
「嫌だっつったら?」
『お前なぁ…』
本気なのか冗談なのかわからない言動に哀葉は呆れる他ない
空閑はひとしきり哀葉をからかって満足したのか、スタッフルームを出る
「じゃ、行く」
『おう。後でな』
ー・ー・ー
「よっ」
「へぇ、悪くない店じゃん。無罪だな」
「ちなみに俺的にはロンガンドリンクが飲みたい気分なんだけど、ある?」
暫くして、空閑のバイト先に虎石、北原、南條が訪れる
暇なのか何なのか知らないが今日に限ってか…と空閑はため息をついた
(いや、でも待てよ?)
ある意味好都合ではないだろうか
ここには哀葉がいて、虎石がいる。驚かせるには絶好のチャンスだ
「ん?どしたよ愁」
「いや…くく、面白くなりそうだと思ってな」
珍しく笑った空閑を不思議に思いながらも虎石は女の子目指してカウンター席へ
「空閑って笑うんだな…」
「廉は空閑をなんだと思ってるのかなぁ」
北原と南條はテーブル席へとついた
(さてと、虎石がいること哀葉に伝えねえとな)
その前に生意気な口を利く、北原に嫌がらせをしてから
『えっ、和泉来てんの!?』
哀葉に知らせれば案の定の反応
『え〜…うそ…突然すぎ…心の準備出来てないんだけど…』
彼女はそういって高鳴る鼓動を手で押さえる
そうしても意味はないのだが、そうでもしないと落ち着かないのだ
顔も赤く染まっている。すこし恥ずかしいらしい
「…で、どうすんだ?やめるか?」
その問いに彼女は笑う
『ううん。ここまで来たら腹括るしかないでしょ?』
「だと思った。じゃ、行くか」
空閑は手を差し出し、彼女は手を取った
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すず(プロフ) - 最高です……！！更新待ってます！ (2017年10月7日 10時) (
レス) id: 03b18b1ae8 (このIDを非表示/違反報告)
runa(プロフ) - 選曲が神すぎます！めっちゃ嬉しかったです♪これからも頑張ってください(*^^*) (2017年6月20日 0時) (レス) id: 00ce596435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2017年6月18日 9時
