控え室の本音 ページ22
そして放課後
例の決闘の時間である。場所は生意気にも歌劇場を抑え、客席には2年生と噂を聞きつけた生徒若干名だ
『はぁー…お金持ちのする事は違うねぇ…』
舞台袖から客席を眺めながら、哀葉は独りごちる
よく見れば、育成枠の指導をしている元華桜会のメンツもいる。興味本位で覗きに来たのだろう
「流石に怖気付いたか?黒崎」
彼女の後ろから、リーダー格の男…桐生が声をかける
『まあ、お前の金遣いの荒さには怖気付いたかね。そういや聞いてなかったけど、演目の順番は?』
「歌劇、アカペラ、オペラ、JPOP、ロックだ。まあせいぜい俺らの実力に舌を巻くといい」
桐生は笑って、去っていく
なんだったんだ今の。と思いつつ、哀葉は自分に用意された控え室に戻る
中には、虎石のみがいた
『あれ、他の奴らは?』
「客席行ったぜ。皆、口揃えて頑張れってさ」
『ある意味プレッシャーだな…』
哀葉は虎石の向かい側に座る
けれど、虎石は彼女を手招きする
「こっち、来いよ哀葉」
『はぁ?なんだよ急、にっ…!?』
素直に虎石の側に近寄った哀葉は、手を取られ引っ張られる
バランスを崩した彼女の行き着いた先は彼の膝の上だった
『おい和泉』
「いーじゃん。二人きりなんだし」
『よくないっつの。誰か来たら勘違いされる事間違いなしだろうが』
とは言いつつも離れようとも暴れるともしない哀葉に虎石は笑う
「……辛くないか?」
彼は心配そうに彼女の顔を覗き込む
学園に戻り次第、この状況だ。手探り状態な哀葉が心配で仕方がないのだろう
『ちょっと、辛いかな。私のこと余りよく思ってない人がいるのは十分分かってても』
二人だけなのもあって、哀葉は少し本音を零す
その答えに満足した虎石は、彼女に腕を回して抱きしめる
温もりを感じながら哀葉は本番前の緊張がほぐれる様な感覚を覚える
(単純だなあ…私も)
一度ぎゅうっと強く抱きついて、離れる
本番前の充電は終了。やる気は十分だ
『ありがとう和泉』
「おう。あいつらに実力見せつけて、勝ってこい」
『うん』
虎石の上から降りて、哀葉は準備を始める
けれど思い出した様に彼の方を振り向いて、彼女らしい笑顔で
『帰ったら、いっぱい甘やかしてね』
さぁ
開演だ
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すず(プロフ) - 最高です……！！更新待ってます！ (2017年10月7日 10時) (
レス) id: 03b18b1ae8 (このIDを非表示/違反報告)
runa(プロフ) - 選曲が神すぎます！めっちゃ嬉しかったです♪これからも頑張ってください(*^^*) (2017年6月20日 0時) (レス) id: 00ce596435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2017年6月18日 9時
