初心者 ページ16
天花寺が呆れながらいう
それが条件なのだ。これが守れなければ哀葉は綾薙にいられない…とまではいかないが、立場は危うくなることに変わりはない
『ま、なるようになるだろ』
そんな状況でも笑っていられるのは、今が凄く楽しいから。この場所にいるためなら、どんなことだって出来るのだから
(私は彼らと、何より和泉と一緒に、この綾薙を胸をはって卒業したい)
しばらく話してその場はお開きとなり、哀葉も部屋に戻る。虎石を連れて
『……なんでこっち来たの』
「まだお前といたいから」
即答する虎石に、彼女は何も言えなくなる
『好きにすれば。構わないけどな』
照れ隠しで一言余計なことを言ってしまうが、虎石にはお見通しだろう
彼は、そっぽを向いた彼女に近づいて、腕の中に収める
『っ!』
「あー…やっぱ落ち着くわ。お前抱きしめてると」
『な、おいコラ…ッ!』
暴れて、脱出を試みる哀葉だが、暴れれば暴れる程虎石の拘束は強まり、抜け出せなくなっていく
「こーら。暴れんなよ」
『!!』
耳元で低く囁かれ、彼女の抵抗がピタリと止む
くすぐったかったのか、耳まで真っ赤だ
その事に気分を良くした虎石は、くつくつと笑う
「なんだよ。くすぐってぇの?」
『ッ…耳元で、喋るなっ……!!』
「やだ……って言ったら?どのみち、そんな可愛い反応されたら、やめる気なんて起きねえケド」
虎石は、真っ赤に染まった耳に息を吹きかける
小さく聞こえた悲鳴に、また笑う
「あれ、そんなに耳弱かったっけ?」
『やっ…!』
「イヤって言われても、説得力なさすぎな。そんな顔真っ赤でさ、いじめてくださいって言ってるようなもんだぜ」
そうしてどんどん、虎石の遊びが激化していく
息を吹きかけるだけのはずが、その耳に小さく音を立ててキスをする
『ひゃっ!』
「かーわい。…哀葉、こっち向いて?」
何かされると分かっていながらも、大人しく言うことを聞いてしまうのは惚れた弱みだろうか
彼女は伏せていた顔を、おずおずとあげる
それを見計らって、彼は唇を重ねた
押し当てるだけのキスはすぐに離れる。小さなリップ音を立てて
『……!!』
「ははっ、真っ赤じゃん」
『〜〜っ…!!恥ずかしい事すんな…!!』
「リップ音ぐらい慣れろよ。可愛いやつ」
楽しそうにする虎石に対して、恥ずかしさのあまりポカポカと胸を叩く哀葉
「痛いって」
『うるさいうるさい!』
恋愛初心者の哀葉が色ごとに慣れるのはいつになる事やら
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すず(プロフ) - 最高です……！！更新待ってます！ (2017年10月7日 10時) (
レス) id: 03b18b1ae8 (このIDを非表示/違反報告)
runa(プロフ) - 選曲が神すぎます！めっちゃ嬉しかったです♪これからも頑張ってください(*^^*) (2017年6月20日 0時) (レス) id: 00ce596435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2017年6月18日 9時
