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腹ガ減ッテハ戦ガ云々 ページ4

そこでようやく私は男を真正面から見る
変人というのを引き抜けば、相当な美丈夫だ

「そのままでは風邪を引いてしまう。これを着るといい」

『いや、別に…』

「それに、そのままでは少年の目にも毒だろう」

言われて気づいた
全て透けてはいないものの、服が張り付いてラインが見えている
これは飛んだ失態だ。敦も言われて気付いたらしい

『では、ありがたくお借りします』

「うむ。とはいえ、人に迷惑をかけないクリーンな自 殺が私の心情だ。なのに君らに迷惑を掛けた時点でそれはこちらの落ち度…何かお詫びでも…」

敦の手を借りて立ち上がると、ぐうぅぅっ、と敦と私の腹がなる
水に入ってまた、余計な体力を浪費してしまったようだ

「空腹なのかい?少年、ご婦人」

「実は…ここ数日何も食べてなくて」

すると男の腹からも腹の虫の大合唱が
これはもしかしなくても、あまり良くない状況だろうか

「奇遇だな。実は私もだ」

「それじゃあ…!」

「ちなみに財布は流されたようだ」

「えぇ〜…そんなぁ…」

『…やっぱりな』

状況は変わらずじまいだ

「こんなところにおったか唐変木!!」

声がしたかと思えば、向こう岸に金髪の眼鏡の男が一人

「おぉ〜…国木田くーん。ご苦労様〜」

『知り合いなんだ…』

「何がご苦労様だ。苦労はお前のせいだ!この自 殺マニア!お前はどれだけ俺の計画を乱せば気が済むん「あ、そうだ!よいことを思いついた。彼は私の同僚なのだ。彼に奢ってもらえばいい」

「人の話を聞けよ!!」

向こう岸の男の怒声に平喘としたままの男
多分、これが日常茶飯事なのだろうな

「君ら、名前は?」

「えっ、中島…敦ですけど」

『森朱音です』

「おや?兄弟じゃないのかい?」

『さっき知り合ったばっかですから…敦が倒れているのを放ってはおけず』

他人も目を剥くように、私と敦は似ているんだろう
まあ、人間誰しも似ている一人や二人はいると聞く
それが今回、たまたまだっただけだ

「そうかい。では、ついてきたまえ敦君、朱音さん。何が食べたい?」

「あの…できれば…」

「なぁに遠慮はいらないよ」

「茶漬けが食べたいです…」

敦はそう言った。素朴なのを選ぶから男も少し驚いていた
そして視線を敦から私にうつす

『あ、私も出来れば、焼きおにぎりと…漬物さえ食べれればいいです』

「…ふふふっ、あはははっ。餓死寸前の男女2人が茶漬けと焼きおにぎりを所望か。いいよ!国木田君に30杯、30個ぐらい奢らせよう!」

ゴ恩ハ忘レズニ→←ソノ男、自 殺マニア



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎   
作品ジャンル:アニメ
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ユリ(プロフ) - 谷崎さんオチが読みたかったので嬉しいです。それに夢主の設定も好みで、アニメ沿いのストーリーも面白いです!更新されるの待ってます。頑張って下さい。 (2018年2月7日 13時) (レス) id: 4a3ece2123 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - めちゃくちゃ面白いです(о´∀`о)更新頑張ってください! (2016年10月26日 16時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月 | 作成日時:2016年5月27日 15時

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