ソノ後ノ青年ハ ページ14
「あらお兄様、遅かったのですね」
「ナオミ…起きてたの?」
部屋に帰ると、もういい時間なのに妹のナオミが起きていた
手元にはパソコンがある。なにかあったのだろうか
「えぇ。先ほど、社長からメールが届きまして。明日、入社試験を……ん?」
ナオミは何かを感知したのか僕の周りをウロウロする
「な、何…?」
「お兄様、先ほどまで料理でもしていらした?いい匂いが…」
「あぁ…成る程。国木田さんのところでちょっとね」
そう笑いながら、パソコンを見ると二つの圧縮フォルダがあった
中を開くと、それぞれのデータが出てくる
「えぇと…中島敦と…森朱音…」
国木田さんがさっき言っていたデータの事だろう
見ると、二人の簡潔なこれまでの経歴が載っている
「この中島敦さんって方は随分と資料が少ないんですのね」
「そうだね…孤児だから学校に行ってないのもあるんだろうし、働く年齢でもないから…」
「それに比べれば、朱音さんは色んなところで働いていらっしゃるんですのね。追い出されたなんて嘘のようですわ」
確かに、森さんの経歴を見ると、申し分ないほど平和そうな孤児院に預けられたみたいだ
成人してから、院の手伝いだけではなく、お金の足しになるように外に働きに出ていたらしい
なのに彼女はそこから追い出された
それも、あんなになるまで
「………」
「お兄様…?」
「え、あ…何?」
「何か、怒ってらっしゃる顔をしていらしたから…」
そんな顔をしてただろうか
彼女を捨てた孤児院に憤りを感じたのは確かだけど…
「あっ、お兄様!朱音さんって方、猫が好きみたいですわよ!」
そうやってはしゃぐナオミ
みれば、孤児院で過ごしていた頃の写真だろうか。笑顔で猫とじゃれる森さんの姿
けれど、どこか違和感を覚えたのはきっと……
「髪が、長い…?」
写真の中の彼女はナオミと同じぐらいの長さだ
けれどさっき僕が見たのは、男と…それこそ敦君と同じぐらいに切られた髪の彼女
「ふふ、女性社員が増えるなんて嬉しいですわ。どんな方か今から楽しみです」
「そう、だね」
ナオミは凄く嬉しそうだ
かという僕も、彼女がどういう人なのか気になる
なんでだろう。こんなにも、明日が待ち遠しいなんて
誰か教えて
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユリ(プロフ) - 谷崎さんオチが読みたかったので嬉しいです。それに夢主の設定も好みで、アニメ沿いのストーリーも面白いです！更新されるの待ってます。頑張って下さい。 (2018年2月7日 13時) (
レス) id: 4a3ece2123 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - めちゃくちゃ面白いです(о´∀`о)更新頑張ってください！ (2016年10月26日 16時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春月 | 作成日時：2016年5月27日 15時
