虎ト出会フ ページ2
自分は果たして不幸だっただろうか
それをずっと頭の中で考える
孤児という時点で不幸であろうが、別に私は孤児であることを嘆くつもりはない
ただ、こうしていざ外に放り投げられると身内のない自分は何も出来ないことを思い知らされるのだ
孤児園を追放されて、早20日
『…もう無理』
そろそろ餓死しそうです
私の名前は森朱音。年齢は22
身寄りのいない孤児で、普通の孤児園で育った
18になってからは孤児園の手伝いをするバイトのような感じになっていた
はずなのに
何故か私はそこを追い出された
手元にあった、自分で稼いだお金は元々取り分が少なかったから、もうおにぎり一個買えるか買えないかぐらいしかない
つまりはもう死にそう
『お腹空いたな…』
最初の10日はまだお金があったから良かった
けれど、もう宿に泊まる事も出来なくなり始めてからは大変だった
今はもう歩くのが精一杯だ
働き口を探そうにも私は普通の人間ではない
それがばれてしまえば、行く場所はない
『……いつの間にやら鶴見川まで来てるし…』
流れる川を見ながら、自分の現在地を把握する
と、川辺に誰かがいるのを確認する
白髪のボロボロの服を着た少年。私と同じような格好だ
(今にも倒れそう、というか倒れる…!)
そう思ったら体が勝手に動いた
急いで彼の元へ駆け寄る。自分もボロボロでもう体力がないというのに
『お前、大丈夫!?』
「え、あ…?」
ばちりと瞳が合う
私と似た瞳をしている。まるで、色違いのような自分を見ているみたいだ
「貴方は…?」
『私は森朱音。お前は?』
「中島、敦です」
『敦、な。なんか食べるもの……あ、ガムしかない…けど食べる?』
ポケットから出たものはガムニ粒
それを敦に渡す。食べないより何か口に入れておいた方がいいはずだ
「でも…僕を助けても得にはなりませんし」
『いいから!!目の前で死なれちゃ後味悪いの!生きてれば、いいことはあるはずなんだから!』
「んぐっ」
無理やり、ガム二粒を敦の口に放り込む
ガムは満腹中枢を刺激するから、空腹からは逃れられる
持っててよかった
『で、お前は孤児なのかな?』
「率直ですね…まあそうなんですけど……孤児院を追い出されて、路頭に迷っていて…」
『そっか…お前もか。お互い苦労するね〜』
「お互い…ですか?」
『そう。お互い』
そこからこれまでの経緯をお互い話すことになった
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ユリ(プロフ) - 谷崎さんオチが読みたかったので嬉しいです。それに夢主の設定も好みで、アニメ沿いのストーリーも面白いです！更新されるの待ってます。頑張って下さい。 (2018年2月7日 13時) (
レス) id: 4a3ece2123 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - めちゃくちゃ面白いです(о´∀`о)更新頑張ってください！ (2016年10月26日 16時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年5月27日 15時
