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一瞬の沈黙の後。
｢…何を言うかと思えば、教授はそういう話を信じる方なんですね。意外です｣
にこりと笑う。あくまで平静を取り繕った。
確信した、彼は全く視えない人だ。おそらくぼんやりと見えていた頃のトントン以下である。認知されるほどに力を持つ妖怪にとって、ある意味最強という事が出来る、大半の人が持つ特性。
であるならば、変に首を突っ込ませてはならない。安易に触れさせてはならない。そう判断し、わざと嘘をついた。
｢さっきのは急に動悸がしたんです。ときどきあるんですよ、心配させてしまって本当に申し訳ないです｣
つくり笑顔を彼に向ける。ポーカーフェイスは得意だ。
｢急用ももちろんありますよ。今日バイトのシフトが入っていた事を思い出しまして。いやー、思い出せて良かった！｣
そう言って彼に水の入っていたコップを返し、今度こそはと部屋を出るために立ち上がろうとした。…が、エーミール教授に腕を掴まれてしまった。思いのほか強い力に驚く。彼の目を見ると、こちらを真剣な表情で見ていた。
｢…Aさん。でしたら、一つだけ聞かせてください。…黄色のオーバーオールにニット帽の青年についてご存知ありませんか？｣
｢！！｣
十中八九、先程の妖怪のことだろう。何故、視えないはずの教授が彼の容姿について知っているのか。もしかして何か事情があるのかもしれない…。とても気になった、が。
今このまま、何の準備もせずに聞くのはまずい。先程のような目に再びあわないとも限らない。せめて誰か、コネシマか大先生辺りに連れ添って貰うべきだ。この場は穏便に済ませよう。
｢………。いえ、心当たりはありません｣
｢…そうですか。ありがとうございます。引き止めてしまってすみませんでした｣
そう返すと、彼は腕を離してくれた。
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鶏太郎(プロフ) - 猫の手さん» 猫の手さん、コメントありがとうございます！気づくのが遅くなってしまいました(汗)動画ネタや伏線、小ネタを詰め込むのを生きがいにしているので、それに気づいてもらえてとても嬉しいです！今後も更新頑張りますね！ (2020年8月31日 0時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 所々で話が繋がっているところが、読んでいてとても面白いです!!次の話も読んできますね!!更新頑張ってください! (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 今回初めて最初から読ませていただきました。 妖怪ものの小説がすごく好きでこの小説を見つけたとき凄く読みたいという気持ちにかられましたね…() 読んでるうちに、shaの時のお話ってもしかしてknの時と話が繋がっているのでは…?と考えたりして (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - まみむさん» まみむさん、コメントありがとうございます！自分が読みたいものを書いている節しかないので、そう言って貰えて本当にありがたいです…！笑今後もゆっくりと書いていきますね！ (2020年7月14日 23時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
まみむ(プロフ) - いつも楽しませてもらっています。鶏太郎さんのペースで続きも楽しみに待ってます。面白い作品をありがとうございます (2020年7月12日 22時) (レス) id: 143523a762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月5日 14時
