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ザシュッ！！
鋭い斬撃音が鳴る。勝負は一瞬でついた。
｢ゴフッ…！？｣
口元から赤い液体を吐き出したのは、グルッペンではなく老人であった。何が起こったのか分からないといった困惑の表情と共に、老人が崩れ落ちる。
俺はゆっくりと老人の元に近づき、膝をついて彼に声をかけた。
｢…ふふ、ワンちゃんは標的を『間違えて』しまったみたいやなぁ？いやぁ、誰にでも間違いってあるよな。あぁ、おそろし｣
まあ、間違えるように誘導したのは俺やけどな。獣に対して俺は認識阻害をほどこし、獣がグルッペンと老人を取り違えるように誘導した。結果として、老人は深々と獣の爪によって肉をえぐり取られてしまったようだ。もう、長くは持たないだろう。
獣は一撃を老人に加えた後、すぐに姿を消していた。近くにはいるが、老人を守るつもりはないようだ。おそらく契約だけの、忠誠心や友情などの欠けらも無い関係だったのだろう。
｢オスマン、あとは俺が｣
｢ん｣
グルッペンに場所を譲る。グルッペンは老人の目の前に仁王立ちすると、声を掛けた。
｢何か言い残すことは｣
｢…待て、何でもするから。見逃してくれ…｣
グルッペンはその言葉に無言を貫いた。俺は思わずククッと喉を鳴らしてしまった。出たで、人間お得意の、｢何でもするから｣。グルッペンがこちらを振り向く。
｢いや、ゴメン。ちょっとおもろくて｣
｢？…まあ、良いが｣
グルッペンが怪訝な表情をしたが、気を取り直したように老人に向き直った。
｢それが死の際の言葉でよろしいか｣
｢頼む、お前の望むものを何でもやる、だから命だけは…！｣
｢ははっ、…貴様から貰うものなど無い｣
グルッペンはそう言い返すと、無情にも老人に手を伸ばした。
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鶏太郎(プロフ) - おしずさん» おしずさん、再びのコメントありがとうございます！いつもより練りながら書いたので、そう言って貰えて助かります…！はい、ゆっくりのんびり続きも書きますね！ (2020年7月18日 21時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - らりるれろんさん» らりるれろんさん、再度のコメントありがとうございます！今回時間軸がとびまくったので分かりにくいかな…と心配していたので、そう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります^^* (2020年7月18日 21時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
おしず(プロフ) - 続編及び、第6章お疲れ様です！今回もものすごく面白いです！！第7章も、鶏太郎さんのペースで更新頑張って下さい……！！！ (2020年7月18日 14時) (レス) id: f2c187ecfd (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - ひゃー！第6章も面白かったです！本当にこのお話面白い…！更新頑張って下さい！ (2020年7月18日 10時) (レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月17日 20時
