29 ページ29
✳コネシマ視点
｢あそこやな、反射して光ったわ｣
窓から身を乗り出し、目を細めながら呟く。コネシマは少し離れたビルの上に、なにか光を反射するものを視認し、そして何者かの視線を感じた。しかしすぐにその反射物は引っ込んでしまった。遠目でしか確認出来なかったが、何者かにあそこから撃たれたのだろう。(…なんや、流石に銃くらい知っとるで。よく村の猟師がシカやらイノシシやら狩ってたからな！)
｢はぁ？もしかして狙撃！？ここ現代日本やで！？｣
大先生がゲェと舌を出した。トントンが部屋の角に落ちていた折れた矢を拾い、観察して言った。
｢御札を狙って狙撃されたみたいや。手練やな、綺麗に撃ち抜かれとるわ…にしても、窓ガラス割るって危なすぎるやろ！｣
実際、割れたガラスが部屋の床に散乱している。部屋の内側に向かって割れたので、外の道路などには落ちていないだろう、がしかし。俺らはまあ一旦置いとくにしても、人間にあたったらどうしてくれるつもりやったんや？と相手さんの常識を疑ってしまう。
｢おい、怪我してる奴はいないな？｣
グルッペンが周りを見渡しながら声をかけた。足元の瓦礫を蹴りながら、渋い顔をしている。
｢ま、部屋以外に損傷は無さそうやね。不幸中の幸いって感じ？｣
大先生がつとめて明るく声を出したが、妖力を使いすぎたのだろう、くたびれたようにソファに倒れ込んだ。彼はゾムと直接対決こそはしなかったが、ずっと後方から俺たちにバフをかけ続けていた。目立ちこそしなかったが、トントンやグルッペン、途中からAにも防護を施していた、かなり消耗したはずだ。
｢グルちゃん、僕しばらく寝とくわ。流石に疲れた｣
｢おう、好きなだけ休め｣
そう言うと大先生はふわりと煙のように消えた。ひとらんは刀を腰に戻し、帽子を被り直す素振りをしている。俺も手近な机にもたれかかった。
｢久しぶりにこんなに動いたよ。コネちゃん割と戦えるんだね｣
｢まあな、ひとらんこそ流石やったで。ところで｣
一段落してきた所で、俺はかねてより疑問に思っていたことを口にした。
｢そこのアンタはどちらさんや？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 545人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鶏太郎(プロフ) - おしずさん» おしずさん、再びのコメントありがとうございます！いつもより練りながら書いたので、そう言って貰えて助かります…！はい、ゆっくりのんびり続きも書きますね！ (2020年7月18日 21時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - らりるれろんさん» らりるれろんさん、再度のコメントありがとうございます！今回時間軸がとびまくったので分かりにくいかな…と心配していたので、そう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります^^* (2020年7月18日 21時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
おしず(プロフ) - 続編及び、第6章お疲れ様です！今回もものすごく面白いです！！第7章も、鶏太郎さんのペースで更新頑張って下さい……！！！ (2020年7月18日 14時) (レス) id: f2c187ecfd (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - ひゃー！第6章も面白かったです！本当にこのお話面白い…！更新頑張って下さい！ (2020年7月18日 10時) (レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月17日 20時
